【 #神域リーグ2024 第25試合観戦記】音速の連続和了！　苦しい想いを積んだ一年　#渋谷ハル の師匠越え！【文 #後藤哲冶 】

東４局

親番を迎えた風見が先制リーチ。
待ちがドラ表示牌のカンということもあって一巡躊躇があったが、これは手変わりも少ない。
親番ということも相まって、リーチで良いだろう。

しかし同巡、これに渋川が追い付く。
のリャンメンリーチで追っかけリーチを敢行。
リーチを教え、そして教えてもらった２人の、リーチ対決。

も山には残っていたが、ここは渋川に軍配。
をツモって1300、2600の加点に成功。

南１局

「ポンしてアガれば２着率は上がりそうだな……」

渋谷が自風のポン。
現状３着目のろたんの親番を終わらせることができれば、確かに２着の可能性は上昇する。

「やべ、ポンでないんだった、最悪だなにしてんだ俺……」

しかし渋谷がここでターツ選択を間違えてしまう。
カンチャンの選択でカンを払ったが、渋川がをポンしているのを失念していた。
裏目の引きで、思わず天を仰ぐ。

しかし、そんな失敗が、上手くいったりするのも麻雀。
赤ツモで、500、1000のツモアガリ。

「すいません変な手順で」

謝る必要はない。もちろん渋谷が正しい手順を分かっているからこそ出る言葉だが、麻雀は自由だ。
素直にこの僥倖を喜ぼう。

南２局

中を重ねてイーシャンテン。
渋谷はここでを選択。２３４三色はここで諦め、マンズを伸ばしての、ホンイツを狙っていく。

が、カンを引き入れて話が変わる。
打点こそ高くなくなったが、リャンメンでリーチが打てるのなら申し分ない。
リーチだ。

「上家の親を流す。　どうしても打点欲しい状況じゃないから妥協しよう」

渋谷が優れているのはこの大局観。
自分が今何をすべきなのかを、冷静に把握している。

終盤まで粘ってきた渋川と風見を振り切り、渋谷が最終手番でツモアガリ。
500、1000と打点は決して高くないが、これでトップを逆転。

南３局

親番を迎えた渋谷に、悪くない配牌が入っていた。
渋谷はここから打を選択。シンプルに浮いている牌を処理して、縦系の手役も逃さない形。

を２枚引いた後、切りを選択。
チートイツも残るこの打が、一番受け入れの広い選択であることを、渋谷は理解している。

「渋川さん、去年とは違うってことをね、お伝えしないといけない」

見事１ｍを引き入れて、のリーチだ。
四暗刻のイーシャンテンともとれるが、リーチと言わないとにロンの声がかけられない。
赤が１枚あるのなら、ここはリーチで十分だろう。

「よしよしよし見えるぞ初のトップ！」

大きな大きな2600オールのツモアガリ！
素晴らしい手順で瞬く間にリーチを打った渋谷が、値千金のアガリを手にした。

南３局１本場