運命のオーラス。
珍しく黒沢咲が第一打に時間をかける。
トップを逆転するには満貫ツモが条件だ。仕掛けてホンイツも視野に入れている。
逃げ切りを図る竹内元太が仕掛けを入れた。
こうなればテンパイは明白だ。
を晒しており、おいそれと周りも突っ込んではいけなくなってしまった。
スパンッと良い音を立てて黒沢咲がを叩き付ける。
ロンと言われてしまえば、ラスまで転落するリスクはあるものの、それ以上にトップを取り損ねることは許してはならない。
遂に追い付いた。
後はツモれるかツモれないかの勝負である。
ラス目の小林剛も参戦し、手に汗握る捲り合いが開始となった。
持ってきたをアンカンして力一杯握りしめたリンシャン牌は──────
黒沢咲とファンが待ち望んだであった。
皆が待ち望んだ黒沢咲の勝利者インタビューは格別なものであり、長く暗いトンネルを抜け出した大黒柱が暴れ回るであろう次の登板が待ち遠しい。
坪川義昭(つぼかわよしあき) 日本プロ麻雀協会5期前期生。雀王戦B1リーグ所属。行政書士法人石田事務所に勤務。 https://www.ishida-tomoyuki.com X(旧Twitter): @eehounotsubokku
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