下位3チームの生き残りを賭けた決戦、のはずが―誰かこの「麻雀ゴリラ」瑞原明奈の進撃を止めてください―【Mリーグ2024-25観戦記 12/10 第1試合】担当記者 #高倉拓馬

下位3チームの生き残りを賭けた決戦、のはずが―

誰かこの「麻雀ゴリラ」瑞原明奈の進撃を止めてください―

文・高倉拓馬【火曜担当ライター】2024年12月10日

 

第1試合

東家：鈴木大介（BEAST X）

南家：瑞原明奈（U-NEXT Pirates）

西家：多井隆晴（渋谷ABEMAS）

北家：二階堂亜樹（EX風林火山）

 

12/10のカードは、3位パイレーツ、7位風林火山、8位ABEMAS、9位BEASTの4チーム。

これは前日終了時点でのスコアである。

まもなく半分を迎えようとするMリーグ2024-25レギュラーシーズン。その中で、このカードが前半戦の「山場」といえるのは間違いない。

まだ半分、とはよくいったもので、そろそろ勝たないと雷電やサクラナイツへの挑戦権すら失ってしまう。特に今日は下位3チームの直接対決で、ポイントを詰め、挑戦権へ名乗りをあげたいところである。

…のだが、妙な偶然なのか、それとも麻雀の恐ろしさを表しているのか、この日の第一試合で躍動したのは上位で悠々と航海を進めているパイレーツ。

そしてそのプレイヤーは、前回抜群の内容で勝利を収めた女海賊、いや「麻雀ゴリラ」とも最近呼ばれている瑞原明奈。

東場はなりを潜めている瑞原。代わって亜樹がベストな内容で東場のゲーム回しを魅せる。

 

東1局

この亜樹の打は、七対子の場況選択だけでなく、

カンチーを狙った一打でもあった。

現状手牌には仕掛けやすそうな字牌が3種類あり、上手くいけばマンガンの手牌に育つ。

打点が高くなり、アガリ率もチートイで進めるのと遜色ないだろう。

を鳴けて1枚切れのを打ち、

直後、自風のを重ねてマンガンのテンパイ。をトイツ落とししていったように見える手出しになった。

ここに飛び込んでしまったのが、自身がピンフドラ1、高め三色のイーシャンテンを入れていた多井。

は1枚自分で打っており、今はまだ亜樹がトイツ落としを完了させた直後なのでテンパイ率も大して高くない状態。

この未来も見据えてを残したチートイの手組みをした、亜樹の技ありの一局。

 

東2局に瑞原が2600オールをあがって、迎えた東2局1本場。

2枚切れのを打ってシャンテン戻し、タンヤオを目指す瑞原。

対して、多井が打ったに反応し、マンズを打ってホンイツに進めていく大介。

こちらはピンズのイッツ―を見据えて両面を固定する多井。

ラス目のため、はスルー。役牌バックの進行には目もくれない。

手牌が縦に寄ってきたのは亜樹。

まだ暗刻の手も見て打とする。

先にテンパイを入れたのは親の瑞原。

カンと待ちはそこまでよくないが、親なのでリーチを打っていく。

追いついた多井。イッツ―を狙う構想も成功し、追いかけリーチを打っていく。

さらにそこに2暗刻で追いつきつつあったのが亜樹。

だがが宙ぶらりんになっている。はリーチに対して現物、のトイツ落としとかなり通りやすいため打つのだが、テンパイしてしまったら…という場面だった。

しかしここでなんとを引き奇跡の生還。