SNSは騒然── 勝負所で最もオリない打ち手 U-NEXT Pirates 鈴木優が浴びせた 鮮烈なカウンターパンチ【Mリーグ2024-25ファイナル観戦記 5/8 第2試合】担当記者 ゆうせー

リャンメンにしかほとんど当たらないなら、こちらが役アリテンパイとあらば押しやすい。

という思考は分かる。

だが、このMリーグの大舞台で、自分の信念にしたがって押し続けられる「胆力」が物凄い。

鈴木優は、とんでもなく攻める。

だからといって、

「楽に牌を通している」なんてことは決してない。

優は【7マン】を切ったあと、大きく大きく息を吐いた。

危険牌を打つのには、エネルギーが必要だ。

それは「戦闘民族」と呼ばれる、鈴木優とて同様である。

見ていて「自分も同じ牌を打ちそうだなー」と思うのは楽だ。実際に、私も一発目にドラの【9ピン】を切って、【7マン】も押す方がいいとは思う。

しかし、見るのと打つのとでは話が別である。

果たしてあの場所で卓について、自分に同じ選択が出来るだろうか。

スポットライトを浴びながら、勝負所で恐怖心との戦いに幾度となく打ち勝って押し切っている、優の凄さたるや。

毎試合、私は感嘆の声を上げながら、優の選択を見つめている。

続けて、優は、

またもや萩原に通っていない【2マン】を持ってきて、

プッシュ!

ファイティングポーズを崩さない。

そこへ、

第三の戦士、鈴木たろうがやってきた。

現物のドラを切って、ひっそりと一盃口のテンパイを入れる。

待ちは、直前に優が通した【2マン】だ。

だが、【2マン】はなかなか姿を見せない。

9巡目、優が持ってきたのは、

【4ピン】であった。

三暗刻の目も出たが、

優はこれをツモ切り。

シャンポンだと【4ピン】が1枚切れていて3枚待ち。カンチャンだと4枚残りだ。

親リーチとめくり合いをするのには枚数が重要なので、ここは現物を切ってそのまま変化を待つルートを選んだ。

そして、

「リーチ」

ついに優が1000点棒を出すときがやって来た!

ピンズがリャンメンに変わっての最終形だ!

萩原は、前の巡目に【8ピン】を切っているが、

現物待ちであろうと、リーチ+1ハンあたりの中打点リャンメンテンパイでは、打点を上げにいく方がいい。勝負だ。

続いて萩原のツモ番。

河に力なく並ぶ【5ピン】

卓上に落ちる、優の腕の影が動く。

「ロン」

「8000」

リーチ一発【南】裏裏。

強烈なカウンターパンチが決まった。

こうして、トップ目に詰め寄った優であったが、

南4局は、たろうが4000オールを決めて他家を突き放し、そのままトップを獲得。

優は2着となった。

こうして見ると、ただゴリゴリと牌を押し続けているようにも見えるが、優は「押し」だけでなく「読み」も鋭い。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/