棋士と雀士の二刀流 鈴木大介が咆哮する──！ 南場トップ目から放ったウルトラ無筋【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 9/18 第2試合】担当記者 ゆうせー

もちろん、ソウズリャンメンを逃すのは痛いけれども、それも織り込み済みの選択である。

次の巡目にをアンコにした大介は、

小林のリーチに対して、ドラのをポンして応戦。

ほどなくして本田からのアガリを決めて、8000点を上乗せすることに成功。

さらに、南３局の親番では、

１つ副露を入れて、小林からドラ１を出アガり、2900点を追加。

そして、冒頭の南３局１本場がやってくる。

大介は、

ドラがのこの局、

ここから、

打とする。

そして、次巡には、

を引き、を打っていった。

マンズをさばいていったのは、ドラ表示牌を含む二度受けを嫌って、放銃すると高いドラそばの牌を処理するのが目的だ。対面の小林が仕掛けているのも、多少は影響したか。

「細いアガリがあるならやといった役牌を重ねたとき」という決め打ちに近い進行だ。

この時点で０メンツの苦しい手が、

あれよあれよという間に伸びて、ド終盤にテンパイを果たす。

上家の本田からリーチが入っているので、スジのを打って、待ちのダマテンに構えた。

役がないので、アガるならツモったときだけ。

大介のツモ番は、あと１回。

そこで大介が持ってきたのは、

ドラ表示牌のだった。

盤面を見てみよう。

対面の小林は、３巡目にをポンしてを切っている。

また、黄色の牌はツモ切り、白の牌は手出し、黒塗りの牌は「そのタイミングで鳴きが入った」ことを示す。

昔から、「ドラよりも怖いドラ表示牌」と言われるくらい、危険なのがドラ表示牌。

ここでは、リーチの本田にはもちろん、誰にも通っていない、ドラ表示牌の。

大介はどうするのだろうか。

しばしの間があって、

意を決した大介の──

左腕が力強くしなった！

テンパイを維持してを勝負だ！！

理由としては、

まず第一に、本田の待ちは–である可能性が高いと読めるからだろう。

上家にいる本田の河を見てほしいのだが、捨て牌２段目の最後にが手出しされている。

が早く切られていることもあって、から１枚を打ってリャンメン固定されるパターンが、読み筋に入るのである。

しかも、大介目線からは３枚見え。下家の堂岐が何枚持っているかは定かでないが、小林がからを打ったケースも、いくつかあるパターンの中で想定できるので、–は埋まりやすくはない、と言えよう。

「–と何か」のイーシャンテンが濃厚であるため、相対的に–以外の無筋の危険度が下がるのだ。

それでも放銃する可能性もあるわけだが、第二に「自分の目からドラがたくさん見えている」のも理由としては大きい。

自分は赤を１枚、ドラを３枚持っている。

残るドラは、赤が２枚とが１枚。合計３枚しかない。放銃しても、高くて満貫までで止まるケースが多そうだ。

大介がインタビューで「上家の本田は満貫クラスの打点があれば、巡目と点数状況的にダマにすることが多い」と話していたが、その要素もあろう。

また、対面の小林にも、赤を含むカンなどで放銃するケースは残っているが、それでもドラの残り枚数から、打点に上限があることには変わりない。

そして最後に、点数状況として満貫までなら放銃しても点数状況として悪くないから、というのもあろう。

仮に本田へ8000は8300を打ち上げたとして、

(※出したリーチ棒は減らないで表示されている)