だけど思い出してほしい。岡田が昨年、この1勝をもぎ取るのにどれだけ辛い思いをしたか。
だから良いじゃないか。
今年は去年よりも早く。
皆に、桜の花束を――

その想いは、届かず。

最後はたろうがハイテイ手番で1つ着順を上げるツモアガリで決着。

桜の花びらが岡田の指の間をすり抜けていった。


トップとなったのは、風林火山勝又。

盤石の打ち回しだった。
最後も岡田にアガらせないためにたろうへ当たり得る牌を打っていったりと、やれることは全てやっていたのが印象的だった。
「手が入っていたから誰でもトップになれる」とインタビューでは語っていたが、オーラスポンからの発進は誰もができるものではなかったように思う。
流石の一言だ。

惜しくも2着となった、岡田。
それでも、東場の我慢と、南場での勇猛果敢に攻めて行く姿は、華がありつつ、鬼気迫るものもあった。
次の機会には、きっと最高の結果をファンに届けてくれるだろう。
……思えば、初期サクラナイツのメンバーは、ついに岡田だけになってしまった。
もちろん、去った方も様々な想いはあるだろう。
しかし残された岡田だって、辛く、苦しい葛藤があった。
昨年のチームの決定を受けて、本当に自分が残るべきなのかどうか、悩んだ日だってあったはずだ。
それでも、岡田は残された側として、契約更改が発表されたあの日に、覚悟を決めたのだ。

変わらず桜援してくれる人がいる限り。
岡田紗佳は、あの頃から変わらず、これからも進み続けると。

最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924