なかなか岡田にテンパイが入らない。
1枚切れの東はトイトイに怖い牌だが切っていく。
当然だ。この手をアガればトップなのだから。
「テンパイテンパイテンパイテンパイ! 」
日吉実況が4度、岡田のテンパイを伝えた。
それだけ、場は完全に正念場を迎えている。
を切って、![]()
のテンパイを入れた。
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は、山に3枚……!
アガれば、今シーズン初トップ。
表情は冷静に見えても、ツモる動作には確かに力が入っている。
欲しくないはずがないのだ。今シーズンの初トップは。
幸い、勝又の待ち牌![]()
は山に残っていない。
アガれるか、![]()
……!
その、直後。
「ロン」
アガったのは、勝又だった。
たろうが勝負形になってしまった。
トップすら見えるイーシャンテンになって、
が押し出された。
これで、勝又が再び大きく前に出る。
これで、岡田のトップへの道のりは――
まだ、終わってなどいない。
岡田には跳満ツモで同点トップの条件が残されている。
配牌はとても跳満が見える形ではないが、当然狙って手を育てていく。
7巡目
引き入れた
。
遠くに見えていた跳満の可能性が、現実味を帯びてくる。
狙える。リーチツモタンヤオピンフ赤裏。
ツモで三色がくっきりと見えた。
リーチツモタンヤオピンフ三色でもクリアだ。
三色に必要な
は3枚山に残っている。
次巡には
も引き入れて、イーペーコーでの条件クリアの可能性も出てきた。
受け入れは広い。来て欲しいのはとにかく、跳満になる牌……!
ここまで来ても当然喜色は出さない。
極めて冷静に、牌を選んでいく。
先にリーチを打ったのは4着目に落ちていたたろうだった。
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待ちのリーチは、ツモって裏ドラが1枚乗れば逆転。
これにより、場にリーチ棒が出た。岡田はこれで、跳満ツモは文句ナシの単独トップ。
どうだ――
来たのは、
。
三色やイーペーコーにはならず、
はタンヤオも崩れてしまう。
テンパイになる牌の中では、かなり嬉しくない部類。
それでも、当然リーチだった。
タンヤオがつく
を一発で引くかもしれない。一発でなくとも、
を引いて裏ドラが乗ることだってある。
最後の可能性にかけて、岡田が最後の勝負に打って出た。
不満の残るテンパイだが、
は、2枚山に残っていた。
一発なら……単独トップ……!
岡田が山に手を伸ばす。
ここでアガれたとて、『たかが1勝』もしかしたらそう思う人もいるかもしれない。















