🎬 ROUND2『朱きヴァルキュリア18号 〜監督・滝沢から受け取ったもう一つのバトン〜』
この試合、違う意味でプレッシャーを背負っていた選手がいた。

朱きヴァルキュリア18号、アリサである。
得意の開幕スタート・ダッシュが決まらないチームの中、それでも高宮、滝沢、寿人と3連勝中。チームの勢いは完全に波に乗っていた。その託されたバトン。それは選手にしか分からない、計りきれないプレッシャーだろう。
(だからこそ…この良い流れを途切らせるわけにはいかない。)
しかし、アリサは開局から苦しんでいたのである。
ROUND1で紹介した局以外でも
東1局
親番にて幸先よく牌を横に曲げるも、山に6枚も眠っていたは結局最後まで姿を見せなかったし
東3局では、

再び主導権を握るか
待ち選択リーチ。
ドラがなだけに、自然と
に誘導される。
しかし…
👤(一発目にツモったのは、まさかの!)

👤(二発目には!)

👤(三発目にはだぁ──!)

👤(四発目はアガリ牌のかぁ!? 違うっ!! ──追い討ちの
だぁ───っ!!!)

何と挙句の果てには、追いつかれたケンに残り1枚の5,200放銃牌を掴んでしまったのだ。
それは、目を覆いたくなるような、あまりに残酷な情景。積み重ねてきた手応えが、一瞬で崩れ落ちる事を意味していたからだ。
しかし…

アリサは顔を上げた。
表情ひとつ変えず、淡々と次の局の準備を始める。まるで感情を切り離した人造人間のように。
けれど、胸の奥では確かに熱い何かで支えられていたのである。それは…
「俺たちの3連勝じゃなくて、アリサのデカ2着を合わせたチームのプラスだから。」

今季から選手兼監督となった滝沢のさりげない一言であった。
でも、その“さりげなさ”こそが胸に刺さる。
数字では表せない、チームを包み込むような優しさ。
だからこそ、冷静でいられるのだ。
それが顕著に表れたシーンがこちら。
南2局

赤・赤を含み、形も十分。
プラスポイントを持ち帰るには、ここは押し切りたいように見えたが…
👤(ここで!なんと切りぃィっ!!)

アリサ
「はもう全然切る気なかったです。茅森さんの
手出しでテンパイしててもおかしくなかったし、ケンさんとの点差も維持したかった。それに、クマさんが激烈に押してたんで(笑)。」
続けて
「か
の選択だったけど、ドラが
だから
を打ってるうちにタンヤオかドラ引きで価値ある手になったら戦うイメージでした。
また、ケンさんの手出しでマンズ上のブロックがほぼ確定だったので、先に
を処理しましたね。
は後から全員に打てる牌だったので。」
冷静沈着、そして理にかなった判断。
まさに“朱きヴァルキュリア”の名にふさわしい一打に私の目には映った。
これにより、ケンとの点差が広がるどころか、この局ナオキのツモアガリによって逆に点差が縮まる展開になると
南4局

ケンからヤミテン5,200直撃条件を満たすことができ、チームで繋いできた大きなポイントを、更に大きくすることができたのであった。
そして、試合後に見せた表情が何よりも印象的。