天下一Mリーグ武道会──伊達朱里紗と瀬戸熊直樹に隠された二つのバトン──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 10/10 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

魔人ケン
(今度はビスケットも食べたいな〜)

と甘い笑みを浮かべながら目をつけていく。

東2局2本場

もちろん、その標的は…
天才サヤカの配牌“ドラ・アンコ”だ。

この局も、【白】を一鳴きして軽やかに加点を目指していくケン。全員の“おやつ”を奪っていくつもりなのだろう。

だがしかし、ここで待っていたのは逆の“甘いトラップ”だったのである。

次巡、指運で残った【中】が重なると

更にやってきたのは【8マン】であったのだ。

魔人ケン
(う〜ん、やっぱりステーキも食べたいかも〜)

とばかりに…

 

優秀な【6ピン】【9ピン】ターツを破壊する【7ピン】に手を掛け、ホンイツ・ルートへと路線変更したのである。

この時の心境を、試合後の振り返り配信で次のように語っていた。

「みんな!フラフラしてごめん!! 普通に進める予定だったけど【8マン】ツモにより【9マン】縦引きからのホンイツを視野に入れたくなっちゃいましたね〜」

👤(おっとぉ〜!? 魔人ケン、まさかのメインディッシュ宣言か〜)

甘い“おやつ”のつもりが、気づけば肉料理へ。
ところが、この一打が思わぬ形で展開を傾ける事となった。

アリサがその隙に確定三色の超ド級のリーチへと踏み切ったのである。

そして、その影響により

本来であれば、ツモ切られていたナオキの【5ソウ】が手の内に収納され


もしかしたら、このアリサからツモ切られた【9ピン】にケンがチーの声を響かせていたかもしれない。

👤(この僅かな違いが運命を変えていく──っ!!)

流れていたかもしれない【4ソウ】がナオキの下へ呼び込まれ、残っていなかったペン【3マン】ターツが自然と払われていく。すると、突如として雷鳴が鳴り響くのであった。

👤(お、おいおいおいっ!! こ、これはまさかくるか──!?)

天を裂くように立ち上がったのは、雷の戦士。
中秋の名月に瞳を奪われ、今宵は大熊の暴君と化した…

そう! 熊ナオキだ!!

熊ナオキ
(見せてやるよ…雷電の魂をっ!!)

ここまでは静かに戦況を見つめるも、その胸の内は熱い何かで溢れていた。

(昨日は若手の黒沢が悔しいラス。だが、その背中を見た萩原が“ライデンティティ”を貫いてトップを掴んだ。)

(そして今日は若手の本田が無念のラス。ならば、次は俺の番だよな!)

仲間の想いを、この手で繋ぐ。

👤(出たぁ───っ!! これは熊ナオキの覚醒だぁ───っ!!)

ナオキ
「喰らえぇぇッ!! これがクマクマ波だ───!!!」

リーチ・一発・ツモ・ピンフタンヤオ一盃口・赤・赤
4,000・8,000(+1,600)

こうして、地を割るような一撃が卓上の空気を一変させていくのであった。

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