牛田から出た
は当然の見逃し、しかし手が変わらないまま数巡が過ぎる。
相手の手も進んでいそうで、さらに失点してしまっては元も子もない。福島は少考の末、リーチを選択。
當眞は前巡、岡崎・牛田に備える意味で
を置いてしまっていた。さらに、リーチ後一発目のツモで
までつかんでしまう。
親で自身もアガりたい局面、當眞は
をプッシュ。
リーチ一発ピンフ、裏1。
偶然役で2翻アップして8000の加点は、福島にとって上々の結果。これでまだトップを目指せる。
■當眞脩平、苦境をくぐり抜けた先に
プロ入り3年目の新鋭、當眞脩平(協会)。
彼は試合後、福島への
放銃を「これが敗着か」と振り返った。序盤から細かいアガリを積み重ねながら、牛田、岡崎に大物手を決められ、極めつけは4着目の福島に満貫を放銃しての親落ち。典型的な負けパターンと言える。
しかし、それでも麻雀は何が起こるか分からない。南3局、當眞は
と
がトイツ、ドラ色のソーズでホンイツが狙える手が入る。
5巡目に
ポン、ここで先にソーズを切ってホンイツをぼかす手もあったが、當眞は
を切って手の内を一色にする。後に切りやすいのが
ということもあったか。
牛田のリーチがかかるが、當眞も
を切ってテンパイ。もちろん
を残していても打っただろうが、ここで現物を切れるというのが大きい。
牛田は![]()
待ち、當眞は![]()
待ち、ソーズの引き合いを制したのは當眞。
2000-4000で上位に肉薄する。
そうして迎えたオーラス、當眞は逆転優勝まで2200点差。
3巡目でピンフの1シャンテン、三色も見える手に。
先にテンパイしたのは牛田、![]()
のシャンポン待ちはアガり方によっては一回トップを逆転する。
當眞も追いついた。![]()
待ち、高目
ならピンフ三色の3900で逆転、
が4枚見えということでダマテン。
テンパイ後、鳴いていてもリーチモーションになる牛田、その左手に訪れたのは、當眞のラストピースだった。
バラエティー豊かなメンバーによる決勝、4人にとって11月15日は、麻雀人生において記憶に残る1日になったことだろう。
そして、勝った當眞はファイナルという舞台でさらなる飛躍のチャンスを得た。
プロ3年目の新鋭は、果たしてどこまで上り詰められるのか。
當眞プロ、おめでとうございます!

さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。















