止まらぬ勢い、単独7勝目へ
文・宮水さくら【木曜担当ライター】2025年11月27日
今季からMリーグの舞台に足を踏み入れた永井孝典。その存在は、すでに「新人」という言葉では括れないほどのインパクトを残している。
ここまで圧巻の勝利を積み重ね、もし今日トップを掴めば、リーグ単独最多となる7勝目。さらにトップ率は驚異の50%に到達する。安定感と爆発力を兼ね備えたその打ち回しは、今季が1年目とは思えないほど堂々としており、すでにチームの中核を担う一人と言っても過言ではない。
EX風林火山にとっても、この永井の躍進は大きな希望だ。偉大な結果に手が届く位置に立った今夜、その一打一打に、これまでとは違う重みと注目が集まる。記録が動くのか、それともまた試練が待つのか─。
第1試合
東家:鈴木大介(BEAST X)
南家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
西家:永井孝典(EX風林火山)
北家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
東3局
永井の親番が回ってきた。
阿久津がチートイの
単騎でテンパイを入れ、先制リーチを放つ。
しかもこのドラの
単騎、山にはなんと3枚残り。

その直後、親の永井もカン
を引き入れ、![]()
待ちで追っかけリーチに。
しかし永井の![]()
待ちは、山に
の1枚のみ。良型とはいえ、枚数は1対3と分の悪いめくり合いとなった。
そんな中、2軒リーチの安牌に困っていた大介が切った
が永井のアガリとなり、リーチドラ赤の7700点。

不利な捲り合いを制し、永井は幸先の良いスタートを切ることに成功した。
東3局2本場
永井の1人テンパイで流局した次局。
大介からドラの
をトイツにした
待ちのチートイツテンパイが入り、先制リーチがかかる。
このリーチを受けた親の永井。リーチに比較的安全な中筋の
を切る選択肢もあったが、ここは自分の手牌をまっすぐ進め、全く通っていない
切りを選択。

ここでも強気な永井の麻雀が顔を出す。
その後、優が切った7pを678のカン7pでチーし、4mを切ってタンヤオの
単騎テンパイを取る。

先制リーチを受けてもなお、テンパイを取りに行く積極性。ここにも永井らしさが光る。
そして、この永井のチーによって大介のアガリ牌である
が優に流れる展開に。
もちろん、これを狙ってチーをしたわけではないが、結果として永井の仕掛けが大介のツモアガリを阻止する形となった。
単騎のテンパイを維持していた永井だったが、
を引き、
を切っていったんテンパイを外す。

何でも押すわけではなく、降りる牌は降りる。このあたりに永井の強さが表れている。
次巡、
を引き入れ、再びカン
のテンパイに復帰。

結果は大介と永井の2人テンパイで流局となったが、アガリには結びつかずとも、永井の粘りと強さが際立った一局となった。
この堂々たる打ち回しには、実況の日吉から「Mリーグ6年目の貫禄」と評されるほどだった。
東4局
チートイのイーシャンテンだった永井が切った
を、親の阿久津がポン。
バックの形でテンパイを取る。

しかし、阿久津が欲しかった
は2枚とも大介の元へ渡り、アガリは遠のく。
そんな中、イーシャンテンだった永井が、またしても海底でテンパイを取りきる。
麻雀はアガリに注目されがちだが、永井のように、先制リーチや先制の仕掛けを受けてもただ降りるのではなく、ギリギリまで攻めてテンパイを取りに行く姿勢こそ、真の強者の麻雀なのだと感じさせられる。
南1局
阿久津が
をポンし、![]()
待ちで3900点のテンパイ。

すぐに優がカン
待ちで追いつき、リーチ。二人の勝負になるかと思われた。

しかし、ここで黙っていないのが永井。
を引き、![]()
待ちのテンパイを入れる。
ワンチャンスとはいえ、リーチの優と仕掛けの阿久津に通っていない
を押すかどうか、非常に難しい局面。だが永井は
切りを選択。















