供託5本の攻防戦 伊達朱里紗が制した一局【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/27 第1試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 喜多剛士

供託5本の攻防戦 

伊達朱里紗が制した一局

文・喜多剛士【木曜担当ライター】2025年11月27日

首位を走るKONAMI麻雀格闘倶楽部に対し、他の3チームはいずれもマイナスポイント。4位以下がマイナスという厳しいボーダー争いの中、各チームとも一つのアガリ、一つのトップが命運を分ける展開となっている。

大きくマイナスを抱えていたEARTH JETSも、ここにきて着実にポイントを回復中。TEAM RAIDEN赤坂ドリブンズも、ボーダー以下に沈むわけにはいかず、まさに踏ん張りどころの一戦だ。

本田朋広TEAM雷電 3勝目以降、6試合連続でトップがなく、個人スコアはかろうじてプラス圏。チームも6位と順位を下げており、ボーダーを下回るわけにはいかない。

HIRO柴田EARTH JETS 連続2着と安定感を見せているが、そろそろトップが欲しいところ。個人成績は▲70.0ptsと苦しい位置にあり、ここでトップを取ってプラス圏に浮上したい。

園田賢赤坂ドリブンズ 個人スコアは119.6ptsと好調を維持しているが、チームはマイナスポイントに転落中。園田らしい安定感で、苦しい状況を打破したい。

伊達朱里紗KONAMI麻雀格闘倶楽部 復調気配が鮮明。直近6試合で2着3回、トップ3回と6連対を記録し、個人スコアも135.1ptsに。まさに“強い伊達”が帰ってきた。

第1試合

東家:本田朋広TEAM雷電
南家:HIRO柴田EARTH JETS
西家:園田賢赤坂ドリブンズ
北家:伊達朱里紗KONAMI麻雀格闘倶楽部

 

東1局

柴田の配牌は、ホンイツこそ見えるものの、19字牌が3組のトイツで重たく、萬子も【4マン】【6マン】【8マン】と散らばっており、まとまりに欠ける構成だった。 しかし、第一ツモで【9マン】を暗刻にしたことで、手牌は一変。【1マン】を引けば九蓮宝燈すら見える形が浮かび上がる。柴田は迷わず【2ピン】を切り、萬子の染め手へと舵を切った。

すると1巡目、伊達が切った【北】を柴田が即ポン。【赤5ピン】を外し、ホンイツ一直線の構えを見せる。 トイツの【1マン】に、【4マン】【6マン】【8マン】のリャンカンという受け入れは狭く、決して楽な形ではない。それでも【中】【白】の重なり、さらにはトイトイへの変化も視野に入れた構想だった。 【1マン】から仕掛ければ清一色の可能性もあったが、オタ風の【北】から動いたことで、アガリは2600点が濃厚。それでも柴田は、思い切って仕掛けに踏み出した。

そんな中、2巡目に【9ピン】を4枚にしていた本田が3巡目に暗槓。

新ドラは柴田がすでに暗刻にしている【9マン】。これで柴田はホンイツ・ドラ3の勝負手へと一気に変貌。柴田は心の中で、ほくそ笑んだに違いない。流れは、まるで自分に向かって押し寄せてくるかのような、そんな展開だった。

その後、柴田は【中】【7マン】を引き入れ、【1マン】と中のシャンポンでテンパイ。【中】でアガれば跳満という勝負手が完成する。 索子を一枚も引かず、【2マン】【4マン】のターツを外したことで、河は一見、索子のホンイツに見える構成。萬子の染め手は巧妙に隠された形となっていた。 これでは【1マン】は止まらない。そして、この巡目と河から【1マン】で8000点の放銃となれば、あまりにも酷すぎる。

一方、伊達は両面2つのイーシャンテンから追いつき、ピンフ・赤でリーチ。

柴田が【8マン】をつかみ、伊達への放銃。リーチ・ピンフ・赤・裏2で8000点。

伊達にとっては好調の滑り出し。一方、連続2着でトップが欲しい柴田にとっては、チャンス手からの放銃という厳しい展開となった。

 

南1局1本場

東2局東4局と流局が続き、重たい展開のまま迎えた南1局1本場

園田の配牌は、役牌の【發】がトイツのイーシャンテン。形はカンチャン2つと苦しいが、ラス目とはいえ点差は僅差。ここは仕掛けて加点を狙いたい局面だ。

次巡、本田からこぼれた【發】を園田がポン。雀頭をポンしたことでシャンテン数は進まないが、役を確定させたイーシャンテンに変化。

さらに、柴田の切った【3ソウ】【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【6ソウ】から【1ソウ】【2ソウ】でチーして打【6ソウ】。2度の副露を経てもなおイーシャンテンのままという珍しい展開だが、最初の【發】ポンで役を確定させ、二度目の【3ソウ】チーでカンチャン2つの形をドラ受けの【3ソウ】【4ソウ】の両面に変化させた。受け入れ枚数と打点を同時に伸ばす、園田らしい柔軟な仕掛けが光る。

園田の2副露に呼応するように、伊達と本田も積極的に仕掛けを開始。

本田は両面チーの後に【7ソウ】を引き入れ、【3ピン】【6ピン】の両面テンパイ。打点は控えめだが、混戦の中での加点と親番継続には十分な価値がある。

そしてすぐに、伊達から【3ピン】が放たれる。本田がこれを捉え、タンヤオ・赤の2900点のアガリ。 トップ目の伊達から直撃したことで600点差となる。

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