EARTH JETS 石井一馬がMリーグで活躍している3つの理由【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/4 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 ゆうせー

突然、親の萩原からリーチが入り、一馬が何か1枚切らなくてはいけない場面だ。

俯瞰で見ても、

特にヒントはない。

現物は【7マン】が1枚あるのみ。

一馬が場に放ったのは、

なんとドラの【1ピン】だった!!

無筋も多いので、素直にイーシャンテンをキープした格好だ。

同じイーシャンテンにする形でも、筆者は【7ピン】を切って、それが通ったときには手のうちの現物を2枚にする、という未来を買いにいきそうだ。

【6ピン】【9ピン】が多く見えているので、【7ピン】待ちのターツを構成しにくいのも大きい。

一方で、一馬は先に【8ピン】を引いたときなどに備えて、形を保つ決断をした。

ここまでの試合を見てきて、一馬がドラを見切るタイミングはかなり早い方に感じる。

元祖「ドラ切り」といえば、セガサミーフェニックス竹内元太だが、元太は「ドラを切っても他の手役や赤で手牌価値があるとき、必要以上に引っ張らず、切る」という印象だ。

かたや、一馬は、ドラだからってそんなに都合よく「引かないでしょ」または「 他家に当たらないでしょ」と考え、ドラに対する人間の願望、幻影を排除して打っているように感じる。

もちろん、ドラはドラなので、手に組み込めたときや、放銃したときには打点がついてくるものだ。ここでも一発で【1ピン】を打ち上げたときには大惨事になる。

そんな中で一馬は「自身が思う、必要以上の付加価値を与えない」で打っているようなイメージだ。

そして、次の手番で、

一馬は【2ソウ】を持ってきた。

一馬は、

スッと【7マン】を抜いた!

石井一馬は、

いい意味で「選択にドライ」なのだろう。

このように、たった1巡、そしてほんの少しの情報で、ガラッと「目指す方向」を切り替えるシーンは、本当によく見る。

ここも、

【7マン】【8ピン】と現物が2枚に増えて、オリやすくなったことが大きい。

引いてきた【2ソウ】も無筋なので、【7ピン】と合わせての2枚押しは避けた格好だ。

「前にドラを押したから」

といった、その瞬間の判断には関係のない、余計な感情は持たない。

クールで合理的な「氷の打牌」を石井一馬はMリーグで披露している。

この局は、

萩原のカン【6ピン】リーチを、

仕掛けた渋川が、タンヤオ赤、2000は2600を萩原からアガってかわす、という結果になった。

そして3点目は、「役牌を場に放つかの判断がシビア」なことが挙げられる。

はじめの方で取り上げた6000オールによるリードを保ち、一馬がトップ目で迎えた南2局

一馬はこの手牌から、

【2ピン】を打ったのだ!

【南】【發】を打たなかったのは、

ライバルである、対面の親、渋川に仕掛けが入っているからだ。

しかも、端のメンツを完成させる、カン【8ソウ】チーから入っている。

「どのみち鳴いていく手だ」と考えるなら、手に役牌があることは想像が出来る。

また、仕掛けながら「手役と打点」を追うには、役牌の存在が重要である。

一方で、役牌は全部で4枚。仮に誰かがトイツで2枚持っていたとして、残りは2枚。数が少ないので、1枚止められるとなかなか鳴けないケースは多い。山に深かったら、3枚セットにするのは困難だ。

巷の流行りは「要らない役牌は投げ捨てる」アクションだ。

しかし、それだと「役牌絡みの仕掛けは、ことごとく成就してしまう」。自分の手に価値がなければ、役牌を絞る方がいいだろう。

一馬の「仕掛けに楽をさせない」役牌の扱いからら、最高位戦Classicを2回制している風格が感じられる。

そして、

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