魔の12月「崩れぬ男」内川幸太郎の安定感【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/18 第1試合（麻雀LIVEチャンネル）】担当記者 喜多剛士

５巡目、を暗刻にして一気に色気が出る。四暗刻、チートイツ、ホンイツ、トイトイ、さまざまな手役が交錯する中、中田が選んだのは打。を残せばチートイツや四暗刻、三暗刻といったルートもあるが、いずれもやや遠い。一方でを切れば、・・といった鳴きやすい牌が残り、ホンイツ・トイトイでの満貫ルートが現実味を帯びてくる。条件を満たすための、的確な判断だった。

一方の伊達は、アガリが厳しいと見て３着確保を優先。を４巡連続で切りオリに回る。

そして中田はを引き入れ、満貫のテンパイ。

親の伊達はオリていたが、最後の手番でテンパイして打を放つ。

中田が最後のツモ番でをツモ。2000-4000のアガリで、伊達をかわして３着浮上して終局となった。

首位攻防の構図に、３位・BEASTが割って入る形となった注目の一戦。

序盤に三色をアガって、主導権を握ったのは内川。安定感と勝負勘を兼ね備えた内容で、好調な風林火山を象徴するような戦いぶりだった。

黒沢は、東３局で内川と同じ待ちを引き勝ち切ると、次局ではダブルリーチを決めるなど、印象的なシーンが続いた。今シーズンは副露を増やすなどスタイルに変化を加えており、その柔軟さが随所に表れていた。惜しくもトップには届かなかったが、内容の濃い一戦となった。

中田は南２局、中のスルーから高打点を狙うなど、結果こそ悔しい放銃となったが、今シーズンの好調を裏付けるような判断が光った。オーラスでは条件を冷静に見極め、満貫テンパイからのツモで３着浮上。状況判断と勝負強さが際立った。

伊達は序盤から苦しい展開が続き、なかなか主導権を握れないまま終盤へ。それでも打点を意識した構えを随所に見せ、最後まで勝機を探る姿勢を崩さなかった。結果にはつながらなかったが、チーム首位を支える存在感は健在だった。

シーズンは後半戦に突入し、風林火山は“魔の12月”を乗り越えられるのか。各チームの思惑が交錯する中、次なる戦いにも目が離せない。