それぞれの親番、それぞれの選択と対応 そして逆風の鈴木優が見せた抗いの操舵術【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 1/19 第2試合】担当記者 渡邉浩史郎

国士に危険だから先に切った? これもNOだ。この時点ですでに中田は【1ピン】のカンで国士の消滅を確認している。

【9マン】【8マン】とドラ含みのターツ落としも入っているため、この【北】が単なる浮き牌であることはまずない。今回のケースのように、暗刻から一枚落としてのリーチが濃厚になってくる。

こうなると、それまでに切られていた牌の跨ぎや愚形にしか当たらない牌の放銃率が有意に下がってくるし、手順通りの【1ソウ】【4ソウ】【6ソウ】【9ソウ】は本命と言われるような河になってしまう。

 

一方でこの【2ソウ】単騎。他家から見ても見た目枚数が同じ以上、もちろん【1ソウ】【4ソウ】【2ソウ】単騎の選択があった可能性はちらつくだろう。

しかしその場合、そこには選択があったということになる。実際どちらを選ぶかはかなり難しいところだ。

そして今回、中田はこれらの選択をよどみなく、ノータイムで実行している。

選べるのに、選ぶ時間を割かなかったというのは対人ゲームにおいて重要な情報の一つだ。

これが河を見渡して、長考の末のリーチであれば当然怪しさが増す。

間違いなく中田の成長した側面、そしてその選択に……

山が一発で応えてくれた!!

リーチ・一発・ツモ・ドラ4・裏ドラ2の倍満! 8000オールでこの半荘を完全に自分のものにした!

こうなると他家3人は親番以外はラス回避に重きを置くことになる。

 

太のリーチに全員が回って迎えた優の親番。【東4局3本場】

今この卓で一番トップが欲しい優が親番でもらうのはこの配牌。あまりに厳しい上、全員がこの親を落としにくる中……

最初の聴牌は渋川。

ホンイツに向かっている太が切った【赤5ピン】をポンして打【4ピン】でなんとマンガンの聴牌。

これはすでにかなりの危険信号が出ている仕掛け。実は渋川の【8ソウ】は対子落としである。

仕掛けるタンヤオという観点からいえばかなり優秀な8という対子。

それを落とした上に、薄くない【4ピン】【5ピン】【5ピン】を仕掛けてきている。

例えば渋川の手がタンピンドラやタンヤオドラといった形のイーシャンテンであれば、この【赤5ピン】を鳴かずに面前で仕上げる手順が出てくるはずだ。そうしていないということは打点も形もすでに十分な仕掛けであることがかなり高い。

そしてここに来た中田も、比較的放銃がましな立場とは言え、躱すには十分な力が残った形で向かってきているといえよう。

そして3人目の太はホンイツ役に、高目一気通貫

これで優は完全に四面楚歌。

あの配牌がここまで仕上がってきたのがもはや罠とまで思えてくる。そんな状況。

【1ピン】は全体に対して打てるが、この後の太や他家の動向次第ではこの局を”捨て”ざるを得ないような、そんな極限の状況。

太が【5マン】を引いて小考。待ち枚数は圧倒的に【3マン】【6マン】だが、さすがに中田と渋川に無筋が過ぎる。どちらも【發】を持ってなさそうでもあるため、瞬間安全な【1マン】を切って【發】【5マン】のシャンポンに。

「太は2着目のため、渋川と中田両方に危ない無筋を引いたら回るはず。手出しで安全な【1マン】が出てきた今、自身もイーシャンテンになってしまった以上、切るならここしかない」

そんな優の決死の思いむなしく……

太へのマンガン放銃となってしまう。

引き付けて、引き付けて、その結果がこれ。

その後、優の手が実ることはなくこの点況。

オーラスの親番がやってくる。

今日一番の勝負手、一発で渋川を捲る山に3枚のカン【6マン】も流局してしまう。

 

【南4局1本場】

優が配牌から形を作っていく。

この【7ソウ】引きで選択。シンプルなのは【8ソウ】切りだがソウズの上はイーペーコーといった打点の種や、役牌から仕掛けた後の亜両面候補になりうる形。

優にしては時間を使ったが、ここは【8ソウ】切りを選択。

すぐに【中】ポン、【北】ポンとできて、こうなったときには少し【8ソウ】切りが寂しいがそれでも致し方なしの聴牌取りとなる。

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