何度打たれても、立ち上がる──黒沢咲、オーラス三度の三色に懸けた不屈の闘志【Mリーグ2026-27 観戦記 10/27 第1試合(麻雀ch)】担当記者 飯盛裕美子

何度打たれても、
立ち上がる──
黒沢咲、オーラス三度の
三色に懸けた不屈の闘志

文・飯盛裕美子【火曜担当ライター】2026年10月27日

10月27日、Mリーグ2026-27シーズン、麻雀ch第1試合。序盤に鮮やかな12000点を決めた黒沢。
その後は他家の猛攻を受け、徐々に点棒を失っていく。
最後まで戦うことをやめなかった黒沢の、三度の三色に懸けた執念のオーラスを振り返る。

第1試合

東家:永井孝典(EX風林火山)
南家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:醍醐大(セガサミーフェニックス)

実況:小林未沙
解説:小林剛

■黒沢らしさ全開の12000点

東1局、先制したのは岡田。リーチ・ツモ・678の三色同順2000・4000を決め、好スタートを切る。続く東2局には黒沢が魅せる。
タンヤオ678の三色テンパイ、待ちは【4ピン】と【4ソウ】のシャンポン待ちをダマテンに構える。このままでも7700 で十分に打点がある。しかし、アガリ牌は山に0枚。絶好の【赤5ソウ】を引き入れて、【3ソウ】–【6ソウ】–【9ソウ】待ちに変化するとこれをリーチとする。

赤ドラを抱えたイーシャンテンの岡田、黒沢のリーチ直後にあまりにも嬉しいカン【3ソウ】を引き入れ、テンパイ打牌の【9ソウ】が出ていく。リーチ、一発、平和、赤の12000点を放銃する。岡田はタンヤオ平和赤ドラの満貫テンパイ、安牌もないためこの放銃は致し方なし。

黒沢らしい丁寧な手組みが大きなアガリに結びついた一局だった。だが、このまま黒沢が独走できるほど、対戦相手は甘くない。

■ 襲いかかる他家の猛攻

東3局2本場、岡田が【白】・ドラ3・赤1の親の満貫12600点を永井からロンアガリ。
東4局7本場には、リーチ・七対子の3200は5300点を黒沢からロンアガリ。
南1局にも岡田が【南】をポンして黒沢から1000点をアガる。
序盤に12000点を奪った相手から、今度は立て続けに点棒を奪い返される展開となった。さらに醍醐も加点を重ね、黒沢の持ち点は徐々に削られていく。東2局の鮮やかなアガリで勢いに乗ったかに見えた黒沢だったが、3着目でオーラスを迎えることになった。

■ 何度でも、何度でも、三色を追う

南4局1本場。黒沢は678の三色となるテンパイを入れ、リーチを放つ。リーチ・タンヤオ・平和、高め三色だ。【6マン】–【9マン】待ちの【9マン】は山になく、あるのは高めの【6マン】だけだ。

ここから反撃の狼煙を上げたいところ。ドラの【南】をポンした永井も参戦し、激しいぶつかり合いとなる。
しかし、黒沢の掴んだ牌は【6ソウ】。先にリーチしていた親の醍醐のアタリ牌だった。リーチ、赤2の7700は8000点の放銃。ラス目に落ちる痛恨の失点となった。

続く南4局2本場。岡田も醍醐をまくるべく、満貫を目指して仕掛けだす。醍醐はその動きを警戒しながらも、【東】のみ【3マン】【4マン】待ちのテンパイをダマテンに構える。黒沢の手には、またしても678の三色。リーチで再び勝負に出る黒沢。リーチ・平和・高め三色だ。

しかし、そのリーチ宣言牌の【3マン】が、またしても醍醐への放銃となってしまう。2000は2600点、2局連続の放銃。どちらも高め三色のテンパイを入れながら、アガリには結びつかない。
実らない、報われない。それでも、黒沢の闘志はまだ、燃えていた。

■ 三度目の正直

南4局3本場。黒沢の手には、またしても三色が見えていた。今度は456確定のタンヤオ・三色同順。

ダマテンならタンヤオ・三色で5200は6100点。待ちは【2ソウ】と【8ピン】のシャンポンだ。ダマテンでは、永井からの直撃でない限り、ロンアガリで3着に浮上できない。ツモなら満貫で2000・4000となるので3着に浮上する。永井は【2ソウ】、【5ピン】を切っており、掴めばアガリ牌をツモ切ってくれるかもしれない。

黒沢の決断は… リーチだった。

強気のビーナスは、いつだってこうでなくてはならない。雷電に、ユニバースに希望を与え、勇気を与えてくれる。それが黒沢咲という選手だ。まだ長い長いレギュラーシーズン。少しでも多く、チームにポイントを持ち帰りたい。持ち帰ってみせる、そんな黒沢の声が聞こえてくるようなリーチだった。

二度の放銃を経て、三度目のリーチ。今度こそ。
手が進んだ岡田から【8ピン】が放たれる。リーチ・タンヤオ・三色の8000は8900点のアガリ。黒沢はラス目から3着へと浮上し、長いオーラスに終止符を打った。

■ 最後まで魅せてくれた黒沢

最終結果は醍醐がトップ、岡田が2着、黒沢が3着、永井が4着。
辛く、苦しい展開の末に、黒沢が持ち帰ったのは3着。
何度でも、何度でも価値のある手牌を仕上げ、何度でも、何度でもリーチして、勝負する。
どれだけ点棒を失っても、一つでも上の着順を取りにいく。その姿勢にこそ、黒沢が貫いたプロとしての矜持がある。黒沢の麻雀、その煌めきに魅了され、私たちはまた、雷電を応援するのだ。

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