逢川恵夢の、
Mリーグで一番長い一局
文・東川亮【バックアップライター】2026年10月27日
大和証券Mリーグ、10月27日の黒卓第2試合。
EARTH JETSからは逢川恵夢が出場した。
前日の出場ではテンパイの見落としなどによってポイントを落とし、気落ちしている様子がありありと見えただけに、この出場は少し意外に見えた。
チームの柱・石井一馬は北海道で行われた一気通貫ツアーに赴いていたが、控室には初戦で個人連勝を飾ったHIRO柴田、そして三浦智博もいただけに、元々決まっていたスケジュールだとしても、オーダーの変更は可能だったはずだ。
ドライな起用方針によるものか、あるいは本人への信頼か、はたまた期待か。
いずれにせよ、逢川は前日のミスを取り返すため、そして何よりもチームに初の同日連勝を持ち帰るために、卓についた。
紆余曲折を経て、逢川はオーラスをトップ目で迎える。
持ち点は30200、2着目とは400点差、ラス目の中田もハネ満出アガリで逆転トップという接戦。
逢川にとってこの局は、もしかしたらMリーグで一番長い一局だったかもしれない。
第2試合
東家:逢川恵夢(EARTH JETS)
南家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
西家:中田花奈(BEAST X)
北家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
アガリトップの逢川としては、この局はリーチをかけずにアガりきるのが基本方針。
そこで手にした配牌は、1メンツあってリャンメンもトイツもある、そこそこまとまった形。本線はタンヤオ、とはいえ役牌の重なりも逃せない。親の伊達への備えも・・・となったとき、第1打
という選択はベーシックなもののように思える。
6巡目、手の内にあった最後の字牌である
を切り、13枚は全て中張牌となった。親番、伊達の現物はない。これは相手に対応するのではなく、自力で決着をつけるという意思表示。
次巡、引いたのは
。リャンメンターツができ、ピンフの渡りもできるうれしいツモに思えるが、逢川は第1打に1sを切っており、フリテン。
逢川は、この![]()
受けを採用する。フリテンはあくまでも、テンパイ時の待ちになったときに問題になるのだ。その前に自力で引けば問題はないし、
チーでもタンヤオで手を進めることができる。無論、危険なことは承知。それでも、火の手が上がる前に逃げ切ってしまえばいい。
中田から出た
を鳴いて、テンパイ。フリテンでツモ限定、かつ片アガリとは心許ないことこの上ないが、とにもかくにもアガれる可能性のあるテンパイをとることは、ことアガリトップの状況においては大事だ。どんなに受け入れが広くても、1シャンテンではアガれないのだから。
ただ、もちろん逢川としてもこのまま押し切ろうとは考えていない。ロンアガリできるほうがよいことは明白だからだ。手変わりを視野に入れる中で、この
引きはどうだろうか。
一度テンパイを崩すことになるが、ピンズ4連形を生かせば、![]()
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で役ありのテンパイが取れる。また、
ポンでのノベタン![]()
待ちへの変化というルートもある。下家の園田と対面の中田がピンズを1枚も切っていないが・・・
逢川はテンパイを外した。不自由極まりない片アガリテンパイよりも、こちらのほうがアガリ、すなわち勝利の可能性が高い、と踏んだのだ。上家の伊達がピンズをバラバラと切っており、鳴ける公算もある程度はあったのも大きいだろう。
もちろん、この後に
を引いてしまうという裏目もある。その恐怖も、頭にはちらついていたはず。しかしきっと、逢川はこうして勝ってきて、だから今この場所で麻雀を打っているのだ。
うまくいった。伊達が前巡に切った
をツモ切ると、これをチー。![]()
待ちのテンパイ、アガればトップ、EARTH JETS史上初となる同日連勝達成に、いよいよ王手をかけた。
だが、忘れないでほしいのは、麻雀は決して1人だけでやるゲームではない、ということだ。ライバルもそれぞれの思惑の元、手を組んでいた。
を切った伊達の手は、ドラドラ赤の1シャンテン。ツモアガリなら試合が続くとは言え、かなり決定打となりそうな手だ。
下家の園田もドラドラ赤の1シャンテン。愚形残りも、逆転トップの可能性を秘めた勝負手。
そして逢川テンパイの同巡、中田がテンパイした。中メンホン赤、ツモればハネ満、こちらは4着目から逆転トップ。出アガリだとどこから出ても2着。
逢川と中田のアガリ牌は、ともに2枚ずつあった。ただ、決着の前にテンパイの中田の形が変わる。
引きで変則![]()
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待ち、![]()
なら出アガリでも三暗刻がついて出アガリハネ満と、さらに打点が跳ね上がった。
そのまま場況の良さそうな
を待つという選択もある。待ちを変えるか、リーチか、ダマか。
少考の末、中田は待ちを変えてのリーチを選択。どうせオリはなく、アガればトップの状況を確定させたことに加え、テンパイであろう逢川を止めたかったという。













