エースの真価は勝てない時にこそ問われる──石井一馬とエーシーズ(AA)──【Mリーグ2026-27 観戦記 11/6 第2試合(麻雀2ch)】担当記者 小林正和

それでもエース──我慢の先にある真価──

牌山に嫌われ、三人の強敵に行く手を阻まれた東場。

それでも、一馬の打牌・気持ちが揺らぐことはなかった。

東4局

分岐点となったのが、6巡目のこの選択。

もともと七対子を意識した手組みだったが、ここで【7マン】を残し、

【5ピン】を切った。

スクショでは伝わりにくいが、この選択はノータイム。(ABEMAプレミアム会員の人は、その驚愕のスピード感を追っかけ再生で振り返っていただきたい。)

そして、残した【7マン】は山に3枚も生きていた。


こうなると自明の理である。自らの意思で残した【7マン】を引き入れテンパイへ。

あれだけ苦しめられた東場の3局を思い出そう。

そう、ついに反撃の態勢は整ったのだ!
さあ、ここまでの鬱憤を晴らすときだろ!?一馬!!

ドラの【北】単騎で、いざリーチだ!!!

…と、誰もが思ったことだろう。

だが、選んだのは

ヤミテンだった!

そして、ここからがとにかく長かった。

勝又が仕掛ける。

続いて醍醐も仕掛ける。

でも、一馬は動かない。ヤミテン続行だ。

さらに醍醐が


もう一つ仕掛けを入れてきた!

そして、再び続くように

勝又にも2副露目が入る。

好き放題に動き回るライバルたち。
目の前で次々と仕掛けられる。

「もうリーチでいいだろ!」

観ている側なら、思わずそう叫びたくなる展開だ。

だが、それでも


一馬はグッと堪える。

勝ちたい。
取り返したい。
チームの力になりたい。

その思いは、誰よりも強いはずだ。
だからこその、ヤミテンなのである。

勝ちたいから、リーチするのではない。
勝ちたいからこそ、リーチしない。

目の前でどれだけ好き放題に動かされようとも、自分の判断を曲げない。

実際、AIもヤミテンを推奨していた。

攻める勇気だけが、強さではない。
歯を食いしばって、グッと堪える。

誰よりも勝ちたい人間が、誰よりも冷静であろうとする。
その我慢の中にこそ、エースの真価が眠っているのだ。

これまで積み重ねてきたものは、勝てなくなったからといって消えるわけではない。

そして──。

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