エースの真価は勝てない時にこそ問われる──石井一馬とエーシーズ(AA)──【Mリーグ2026-27 観戦記 11/6 第2試合(麻雀2ch)】担当記者 小林正和

手牌のネックとなっていたペン【3ソウ】の急所も解消でき、ホンイツ・一気通貫・ドラ1のペン【7ソウ】待ちでテンパイ。

そこから、アガリまではわずか1巡後…

 

皮肉にも、その当たり牌である【7ソウ】を掴んでしまったのは、誰よりも早くテンパイを入れていた

一馬だったのである。

実はこの局、光ったのはEX風林火山を支える軍師・勝又の見切りの良さだった。

それは手牌の価値を冷静に点数化し、数巡先の展開まで見据えながら、より戦いやすい形へと導いていく兵法に隠されている。

仮に、手牌の価値を100点満点で評価し、4つのランクに分けるとしよう。

◉Sランク(90点以上):非常に価値の高い手牌
◉Aランク(80点以上90点未満):十分に価値の高い手牌
◉Bランク(70点以上80点未満):現状ではそこまで価値の高くない手牌
◉Cランク(70点未満):あまり価値のない手牌

SやAランクの手牌なら、比較的まっすぐアガリに向かいやすく、打ち手による差も出にくい。また、Cランクも配牌オリや国士無双・七対子などに方針を切り替えることで、ある程度の失点を防げる。

だが、難しいのはBランクの手牌だ。

勝又は、この扱いが非常にうまい。

例えば、この局の手牌。

1メンツが完成し、自風牌のトイツもある。スムーズにリーチまでいければ、そこそこの手牌だ。

しかし、現状ドラも赤牌もなく、ドラ表示牌の【8ソウ】が浮いているなど、不安定な要素も抱えている。点数をつけるなら、おそらく75点前後のBランクだろう。

ここでは【6ピン】切りとし、極端にスピードは落とさず【發】や【中】を残すと

さらに役牌の【白】を引いたところで、【2マン】【3マン】のターツを落としていく。

これにより、空いた2牌分のスペースで安全牌を抱える余裕を作りつつ、ホンイツへの道も残した。

つまり、リーチを目指すルートを見切る代わりに、守備力を確保。そのうえで、手牌が伸びればドラ色のホンイツへ移行し、BランクからAランクへと価値を引き上げられる構えである。

一馬
「5,800テンパイでこの【7ソウ】は止められないよー。それにしても、勝又さん上手いなー。」

自らの放銃を振り返りながらも、相手の技術を素直にたたえる一馬。だが、東場の悲劇はこれだけでは終わらなかった。

東3局

再び!?三度!?一馬が先手を取る。
【白】をアンコにした【6ソウ】【9ソウ】待ちのリャンメンリーチだ。

ツモれば1,300・2,600以上。一発や裏ドラ次第では満貫も十分に狙える、文句なしの勝負手。

今度こそ、報われてもいいはずだった。しかし、目の前に立ちはだかったのは

2024-25シーズンMVP男、醍醐大であった。

【發】・赤・ドラ1
1,000・2,000(+1,000)

一馬のリャンメン・リーチを打ち破る、カンチャン待ちからの鮮やかなツモアガリである。

このアガリで秀逸だったのは、仕掛け出しとテンパイ取りの判断。どこから仕掛け、どの形で勝負するのかにあった。

5巡目、場に放たれた【發】

まだ序盤だけに、一枚目をスルーする選択もある。あるいは、ピンズの4連形を生かして鳴いてテンパイを取らず、さらなる手牌の成長を待つ手も有力だ。

しかし、醍醐は躊躇することなくポンすると


選んだのは打【8ピン】でテンパイを取る道だった!

ここはカン【3マン】の場況の良さに加え、この先に【赤5マン】や【赤5ソウ】を引けば満貫ルートも残ることから、「【發】ポン➡︎打【8ピン】」が大きく推奨されている。

このあたりの判断は、さすがの一言。

こうして一馬は、牌山に嫌われ、仲林に阻まれ、勝又に打ち取られ、そして醍醐にも競り負ける。

「四面楚歌」

まさに、四方から洗礼を浴びる東場となったのであった。

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