手牌のネックとなっていたペン
の急所も解消でき、ホンイツ・一気通貫・ドラ1のペン
待ちでテンパイ。
そこから、アガリまではわずか1巡後…
皮肉にも、その当たり牌である
を掴んでしまったのは、誰よりも早くテンパイを入れていた
一馬だったのである。
実はこの局、光ったのはEX風林火山を支える軍師・勝又の見切りの良さだった。
それは手牌の価値を冷静に点数化し、数巡先の展開まで見据えながら、より戦いやすい形へと導いていく兵法に隠されている。
仮に、手牌の価値を100点満点で評価し、4つのランクに分けるとしよう。
◉Sランク(90点以上):非常に価値の高い手牌
◉Aランク(80点以上90点未満):十分に価値の高い手牌
◉Bランク(70点以上80点未満):現状ではそこまで価値の高くない手牌
◉Cランク(70点未満):あまり価値のない手牌
SやAランクの手牌なら、比較的まっすぐアガリに向かいやすく、打ち手による差も出にくい。また、Cランクも配牌オリや国士無双・七対子などに方針を切り替えることで、ある程度の失点を防げる。
だが、難しいのはBランクの手牌だ。
勝又は、この扱いが非常にうまい。
例えば、この局の手牌。
1メンツが完成し、自風牌のトイツもある。スムーズにリーチまでいければ、そこそこの手牌だ。
しかし、現状ドラも赤牌もなく、ドラ表示牌の
が浮いているなど、不安定な要素も抱えている。点数をつけるなら、おそらく75点前後のBランクだろう。
ここでは
切りとし、極端にスピードは落とさず
や
を残すと
さらに役牌の
を引いたところで、![]()
のターツを落としていく。
これにより、空いた2牌分のスペースで安全牌を抱える余裕を作りつつ、ホンイツへの道も残した。
つまり、リーチを目指すルートを見切る代わりに、守備力を確保。そのうえで、手牌が伸びればドラ色のホンイツへ移行し、BランクからAランクへと価値を引き上げられる構えである。
一馬
「5,800テンパイでこの
は止められないよー。それにしても、勝又さん上手いなー。」
自らの放銃を振り返りながらも、相手の技術を素直にたたえる一馬。だが、東場の悲劇はこれだけでは終わらなかった。
東3局
再び!?三度!?一馬が先手を取る。
をアンコにした![]()
待ちのリャンメンリーチだ。
ツモれば1,300・2,600以上。一発や裏ドラ次第では満貫も十分に狙える、文句なしの勝負手。
今度こそ、報われてもいいはずだった。しかし、目の前に立ちはだかったのは
2024-25シーズンMVP男、醍醐大であった。
・赤・ドラ1
1,000・2,000(+1,000)
一馬のリャンメン・リーチを打ち破る、カンチャン待ちからの鮮やかなツモアガリである。
このアガリで秀逸だったのは、仕掛け出しとテンパイ取りの判断。どこから仕掛け、どの形で勝負するのかにあった。
5巡目、場に放たれた![]()
まだ序盤だけに、一枚目をスルーする選択もある。あるいは、ピンズの4連形を生かして鳴いてテンパイを取らず、さらなる手牌の成長を待つ手も有力だ。
しかし、醍醐は躊躇することなくポンすると
ここはカン
の場況の良さに加え、この先に
や
を引けば満貫ルートも残ることから、「
ポン➡︎打
」が大きく推奨されている。
このあたりの判断は、さすがの一言。
こうして一馬は、牌山に嫌われ、仲林に阻まれ、勝又に打ち取られ、そして醍醐にも競り負ける。
「四面楚歌」
まさに、四方から洗礼を浴びる東場となったのであった。













