注意！これぞ“窒息の一局”園田、滝沢、近藤、朝倉の息詰まる抗戦【熱論！Mリーグ】

テンパイを果たす。テンパイ…といっても、通っていないドラを切ってリーチドラ１のテンパイだ。幸いとが通っているので、導かれるように通っている頭のを落として安全にチーしてテンパイ復帰できそうだ。というかこれまでの滝沢なら息を吐くようにそう打つハズ。

ん…？滝沢の様子がおかしい。

何やらずっと考えている。

あーなるほど、イケメン仲間だからわかるよ。視聴者にも一緒に考えて楽しませるための「迷っているフリ」ってやつだね！

…それにしても長いな。

「リーチ」

タッキー、今、なんて言った？

もう一度状況を整理しよう。

・相手親

・三段目

・出ていくのはドラの生牌

・は安全牌でとはチーできる公算が高い

・タッキー

ここまで打テンパイ外し寄りの要素が揃っているのにも関わらず追っかける理由は…。

そうか、チームオーダーなのか。ファイナルでも首位争いをする可能性の高いドリブンズには走らせるな…という監督の指令が入っているのかもしれない。EX風林火山はもう総合優勝を意識している。

真相はともかく、終盤にきたところで対局は一層熱を帯びてきたように感じる。

この男の鼻息も荒かった。

最高最強・近藤誠一。である。

まだまだ先は長い、と言い続けてきたセガサミーフェニックスも、今日までに-250ptとなり、いよいよ俵に足がかかっている状態だ。だからこそ、もう負けられない。近藤の表情から悲壮な決意を感じる。

近藤はここからをツモ切った。

大きく打つ打法ならあたりを切ると予想していたので意外な選択だなと感じた。

この手、ホンイツに向かってもを鳴いての3900が関の山だ。それならメンゼン６ブロックでイッツーを固定させ、うまくいったときだけ高打点をアガろう、というのが近藤の考えだろう。

そうこうしているうちに園田が魔法リーチ、そして滝沢の気合の追っかけも入った。

なんという運命のいたずらか

近藤にもテンパイが入る。

親の園田は赤切りリーチで好形の可能性も巡目の割には高く、滝沢のドラ切り追っかけに至ってはほぼ本手だろう。超ド級危険牌であるを打ち切れるかどうか…？いや、私の知っている近藤なら間違いなくリーチするはずだ。それでも少し間があったのは、戦場に踏み込むための心の準備と、どのような結果になっても受け入れる覚悟の時間が必要だったのだ

「リーチ」

寒々しいスタジオに低い声が響いた。こうしては無事通った。

背水の陣であるチームに乾坤一擲のアガリをもたらすか。

困ったのが３軒リーチを受けた朝倉だ。

Piratesも開幕以来ずっと波に乗り切れず、もやもやしている日々が続いている。そんな状況を脱却しようと、この日の朝倉はパドックで入れ込む馬のように卓上に身を乗り出し、情報を拾っていた。

全員に通る安全牌が１枚もない。さすがに長考した朝倉が出す結論は…

暗カンだった。リンシャンに安全牌を求める選択。

そしてツモってきたのが！！

は通るだろうか？Mリーグ史上初の４軒リーチか？？

もう一度全員の捨て牌を見てみよう。

は全員に通っていない牌とはいえ、比較的マシな牌とも言える。

東家・園田には赤マタギで123の三色目もが４枚見えていてないのでペンはかなりなさげ。西家の滝沢は本手の可能性がかなり高いが、園田のリーチにから危険なを切ったことになりが現物であることから少しだけ考えにくい。北家の近藤はさすがに愚形でめくり合いに挑むイメージはない。よってはかなり通ると考えられる。

次に、４人でめくりあい、と言うと非常に危険な印象を受けるが、逆に言うと横移動で終わる可能性や誰かのツモアガリで終わる可能性も高く、放銃率はイメージよりもかなり低い。を通したあと、次のツモ番までに決着がついている可能性は50％前後あるんじゃないだろうか？

しかし朝倉は

通ったばかりのを切った。

朝倉はこう言っている。

筋が通り過ぎている状況での３・７牌の危険度、自分の手の価値が相対的に低いこと…あたりを鑑みて現物のを切ったとのこと。

さて、朝倉も大変だが、園田も鼻息荒い２軒の追っかけを浴びて厳しい。そこへツモってきたのは…。

まさかの、カン材だ。