決勝卓進出 金子正輝
「白鳥さんのダマテン、あのが良く止まったなと。集中できていたなと思っていますし、いくら追い上げられて気持ちが焦っていても、やっぱりきちんと打たないといけないんだなと、改めて思いました」
どうしても聞いてみたかった。なぜ、あのを止められたのか。
「あのときはすごく苦しいリャンシャンテンで、テンパイとかアガリを目指すのは、細い糸を手繰るようなもの。たとえ通りそうでも、あのを打ってしまうのは、そういう欲が出てしまっているのだと思います。そこで欲に負けなかったことで、ちゃんと止めることができました」
金子は30年の歴史を誇る麻雀最強戦に第1回から参加し、今回が初めてのファイナル進出だった。おそらく、今回ファイナルに出場している誰よりもこのタイトルを欲していたはずだ。だからこそ金子は、目先の欲に躍らされなかった。それが決勝進出という、より大きな願いを成就させたのだ。
「今回はよく打てたと思います。決勝に向けては、もう頑張るしかないです」
夢の実現へあと一歩と迫ったレジェンドは、最後にそう言って、少し笑った。
東川亮
赤入り麻雀、東天紅(三人麻雀)などを愛する、さいたま市在住の麻雀ファン。本業はフリーのライター。飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」にて、オーナーである麻雀解説者・梶本琢程氏との接点が生まれ、その縁をきっかけとしてキンマWebにてライター活動を開始した。
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