をツモって2000・4000。リーチを打っていればハネ満になっていた。
それが不幸にも?目の前の現象として見えるだけに、この局は議論を呼んだ。
【ダマ派】
・どうしてもハネ満ほしいならのときにを打つべき。を打ったならここでダマにするのは当然
・偶然役を2つ満たしたのはそれこそ偶然であり、現実的な条件とは言えない
【リーチ派】
・チームの現状を考えるとトップを狙うべきだ
こんなところだろうか。
一応私の見解を書いておく。
まず、この局面におけるリーチを打つことのリスクとは、2着になる確率を下げることだ。亜樹はを仕掛けており、丸山の現物で亜樹のアガリになることもあるだろう。まずはこのリスクをどの程度受け入れるか、によって判断は変わる。
ドリブンズの現状を考えて、ここでの2着よりも最大限トップを追い求めることが大事…というなら、リーチを打つよりもこの場面ですらを切ったほうがハネツモ率は高い。
2着率を少しだけ下げて薄いハネツモの確率を一応残すのがリーチという判断。
現実的に2着をよしとするならダマ。
では、偶然役2つを満たす確率がどの程度のものなのだろうか。
この巡目のリャンメンリーチがツモれる確率が約50%、そのうち裏ドラが乗るのが約30%・一発ツモが約7%・赤ツモが約12%。ツモった上でこれら2つ以上を満たす確率をざっくりと計算すると、約3%となった。
つまり最後までツモれるとして、30回に1回このリーチはハネツモになるということだ。
他にも裏が2枚以上乗ったり(が山にいそうだ)自身や誰かのカンが入る、ハイテイが回ってくる、ということもあるだろう。
ただ、前原や二階堂が真っ直ぐに打ってくることを考えると、最後までツモれるという想定は現実的ではない。やはり紙のように薄い確率であることは間違いなさそうだ。
リスクが限定的であることを考えると、ダマよりはリーチを打っておいたほうがよいかなとは思うが、ダマにした判断は責められるものではないとも思う。
こうして丸山はなんとも言い難い2着を拾った。
こうしてますます後のなくなった第2試合にドリブンズが送り出したのは…
現在まさかの3連続ラスを引いている園田賢だ。
2戦目
東家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
園田はなんと年末に…
会社を辞めた。今になって決断したわけではなく、これまでも麻雀プロとして「このままでいいのか」という葛藤が大きかったと語る。
対局後に振り返る時間も満足に取れず、2足のわらじを履き続けることに限界を感じたのだろう。
麻雀プロとして、この道一本でいくと決めた男はドリブンズに福音をもたらすことができるだろうか。
園田のストロングポイントの1つは、序盤の構想力にある。
東1局
園田はこの手牌から何を切っただろうか。
園田が配牌を見た時に、まず最初に考えることは「先制リーチを打てるかどうか」だと語る。
そして先制リーチがかなわないのであれば、手役を作り打点と仕掛けの両面を追っていく。
それを踏まえると、この手牌はリーチが打てそうだろうか?否、愚形ばかりで苦しい。
それならば手なりで安全牌候補のを切らず、
を切っていった。
この手牌で見えるのはの重なりとタンヤオであり、その両方の構想に該当しない牌を削除したのだ。
だからここからをツモるようなら、左側4枚全部払っていってタンヤオにする算段だろう。
実際には…
を重ねてスムーズに打。
が残っていることで安全度だけじゃなく、チートイツになったときの待ち候補としても機能しているのがいい。
このように園田は複数の有力なルートを残し、思い切ったターツ落としを敢行する。
この局は紆余曲折あったが
園田の構想力が実り、親の近藤の勝負手をかわしきった。
東3局もそうだった。