【麻雀小説】中央線アンダードッグ 第49話:カナイ【長村大】
中央線アンダードッグ 長村大 第49話 ジャックダニエル、ロック。なにも言わなくてもバーテンダーの男がライムを絞ってくれる。いつもの飲み方だ。一口すすり、グラスの氷を人差し指で回…
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中央線アンダードッグ 長村大 第49話 ジャックダニエル、ロック。なにも言わなくてもバーテンダーの男がライムを絞ってくれる。いつもの飲み方だ。一口すすり、グラスの氷を人差し指で回…
中央線アンダードッグ 長村大 第48話 そのピンさんが店を始めることになったという。店、というのはもちろん麻雀店である。以前先輩に連れていかれた、店というにはあまりにも非合法な、…
中央線アンダードッグ 長村大 第47話 おれのリーチの発声を受けても、トイメンのその男は眉一つ動かさなかった。おれの河を特別に見るでもなく、スッと危険牌を押してくる。「勝負!」だ…
中央線アンダードッグ 長村大 第46話 オーラス、トップと3千点差ほどの2着目である。5巡目にを仕掛けてこの手牌となった。 ツモ ドラ リャンメン…
中央線アンダードッグ 長村大 第45話 詳しくは書かない。 だが結局のところ、おれは実家に戻ることになった。どこにでもありふれている話、最大公約数的な着地である。日本式の麻雀を広…
中央線アンダードッグ 長村大 第44話 たしか、よく晴れた日だったような気がする。そんな記憶がある。けれどほんとうは曇りだったかもしれないし土砂降りの雨だったかもしれない。よくわ…
中央線アンダードッグ 長村大 第43話 ツモ ドラ こんな手だった。 おれは特にためらうことなくを縦に置く。次巡、あっさりとをツモアガった。 「ツモ、ドラ1でゴッ…
中央線アンダードッグ 長村大 第42話 元来、おれは昔のことをあまり憶えていないほうだと思う。小学校に入る前の記憶はなに一つないし、小学生時代も断片的な場面、あるいは「そういうこ…
中央線アンダードッグ 長村大 第41話 「リーチ」 自分の声が、誰か他人の声のように聞こえる。 歌舞伎町交番のはす向かい、今はもうない、コマ劇場の端っこにくっつくように立っていた…
中央線アンダードッグ 長村大 第40話 ツモ牌を手牌の横に伏せて、2着を競っているトイメンの学生が考えている。意を決したか、やおら「リーチ!」と声を張り、を横に曲げる。トップ目の…
中央線アンダードッグ 長村大 第39話 ひとまず会社を休むことになった。 仕事がキツいと思ったことはある、365日、ほとんど仕事と休みの区別ない生活を何年かしているのだ。給料だっ…
中央線アンダードッグ 長村大 第38話 朝、起きられなくなった。 おれは元来、朝が苦手ではない。いつも起きる時間であれば目覚まし時計なしで起きられるし、多少早い時間でも目覚まし時…