森川の攻守、堀江のヤミテン!
各者が持ち味を発揮した、
大物たちの共演!
【A卓】担当記者:東川亮 2020年8月15日(土)
麻雀は、人生になぞらえられることが多いゲームだ。
より可能性の高い選択をしていくことで勝利に近づけるが、運がなければ成功は得られず、一方で豪運によって全てを手にできることもある。
この日行われる「著名人最強決戦」に出場するのは、たゆまぬ努力と才覚で運を味方につけ、各ジャンルでひとかどの成功を収めた人物ばかりだ。
勝負どころを見極めて大きな結果を出してきた方々だけに、もしかしたら理を越えた部分で、麻雀、そして人生における大切なことを教えてくれるかもしれない。
本記事では、A卓の模様をお届けする。
「われポンの女王」加賀まりこ。
名物麻雀番組「われめDEポン」で幾度も優勝しており、現在もさまざまな麻雀放送を視聴しているという、芸能界きっての麻雀通。
経験に裏打ちされた「まりこ様」の麻雀をご堪能あれ。
日本のITビジネスにおいて一時代を築くほどの実業家として名を馳せ、現在では宇宙ビジネスに参画するなど、さまざまなジャンルで活躍している。
クリエイター、経営者としての嗅覚で、麻雀でも最強を目指す。
「はじめの一打」森川ジョージ。
大人気長編ボクシング漫画「はじめの一歩」の作者として今なお活躍中の漫画家であり、Mリーグにイラストを寄稿するなど麻雀ファンとしても知られる。
卓上では「はじめの一歩」の主人公・幕之内一歩ばりの強烈な一撃をお見舞いしたい。
「われポン五連覇男」風間杜夫。
加賀まりこ、Mリーガー・TEAM雷電の萩原聖人らと並び、芸能界を代表する名うての雀士の一人。
数々の大舞台を経験してきた重鎮が、麻雀最強戦で再び躍動する。
東家:風間 南家:堀江 西家:加賀 北家:森川
東1局、オープニングヒットを決めたのは森川。
自風のドラトイツは鳴けなかったものの、雀頭で使えるなら文句なし。
リーチをかけ、力強くツモりあげて2000-4000、まずは一撃を決めてリードを奪う。
続く東2局、堀江に大物手が入る。
第一打を切った段階で手牌はピンズと字牌のみ、ホンイツを絡めた大物手がはっきりと見える形だ。
ツモも利き、最後はペンをズバッと引き入れ、わずか5巡でホリエモンロケット発射準備完了。
待ちはと、ここでリーチをかける選択もあるかもしれないが、堀江はヤミテンを選択した。
この手はリーチをせずとも出アガリ12000、ツモれば6000オールと、2着以上で勝ち抜けという麻雀最強戦のレギュレーションにおいて非常に大きなアドバンテージを得ることができる。
リーチをかけると出アガリ18000以上が確定するが、どうしてもアガリ率は落ち、守備力もゼロになる。
このあたりの冷静な判断は、さすが一時代を築いた経営者というところか。
しかし、この待ちがなかなか出ない。
それもそのはず、この局の風間は国士無双に向かっており、道中で・ を共にトイツにしていたのだ。
ただ、このまま国士無双一直線となれば、いずれどちらかを打って放銃することになる。
終盤にが暗刻に。
トイツ手に切り替えれば放銃は免れられるが…。
を引いて、打。
堀江の大物手が決まり、一気にトップへと浮上。
逆に風間は、序盤から一気に持ち点を減らし、勝ち上がり戦線から大きく後退してしまった。
その後は加賀の一人テンパイを挟み、森川が700-1300(+2本場)、1300オールと連続ツモアガリ。
ジャブの連打で3者を突き放せば、そうはさせじと堀江がヤミテンのチートイツで森川から1600は1900を直撃、小さな点棒のやりとりが続く中で、戦いは南場へと進んでいく。
南1局、親の風間としては大きく加点したい状況。
しかし、ここで立ちはだかったのが長年のライバル、加賀。
カンの役なしテンパイから、空切りリーチで風間を攻め立てる。
さらに裏では堀江がピンフのみ待ちをヤミテンに構えていた。
守備力を担保しつつ、拾えるロン牌を拾って局を進めようというしたたかな選択だ。