人生を左右する
オーラスの戦い 安部颯斗、
キャリアの壁を乗り越え
アマチュア最強位に
【決勝卓】担当記者:東川亮 2020年11月8日(日)
筆者は今年、初めて麻雀最強戦の店舗予選に参加した。
東東京エリアで2回の予選に臨み、一度目は3着3着4着といいところなく敗れたが、2度目は2着1着1着と好成績を収め、店舗代表を決める決勝卓に進出。
しかしトップにしか価値のない戦いで勝負をかけたリーチの宣言牌が捕まり、裏3の8000点に放銃。
4着に沈み、東東京代表決定戦に勝ち上がることはできなかった。
この日出場した各地域、各カテゴリの最強位たちは、数多くの打ち手を倒し、この舞台にたどりついている。
そこには筆者も、そして麻雀最強戦予選に参加したあなたも含まれている。
そんなアマチュアの猛者たちが、最後の4人まで絞られた。
A卓勝者、中国最強位・岩間祐一郎。
門前で重厚に構えるスタイルを貫き、リーチを決めて決勝卓に勝ち上がった。
勝負の決め手となったのは、高目三色の一発ツモ。
その手はアマチュア最強位の座まで届くのか。
B卓勝者、学生最強位・安部颯斗。
的確な押し引きを見せ、2度の満貫を決めてアマチュア最強位決定戦常連の山越貴広ら猛者を退けた。
麻雀界は今、若きスターを求めている。
怖い物知らずの若者は、一気にファイナルへ、そしてスターダムへと駆け上がれるか。
C卓勝者、東北最強位・渡邊一也。
北関東最強位の堀田将貴が優位に試合を進める中、南3局のカン待ちリーチを決めて逆転勝利。
序盤に見られた手の震えも終盤には止まり、堂々たる打ち筋を見せていた。
ここまできたら、何としてもアマチュア最強の称号を東北へ持ち帰りたい。
D卓勝者、西東京最強位・福本光記。
序盤から高打点の鋭いアガリを連発し、隙のない麻雀でリードを守りきって決勝卓進出を決めた。
前アマチュア最強位・小島レボリューションらを蹴散らした重厚かつ繊細な麻雀は圧巻のひと言。
この勢いで、決勝卓でも対戦相手を吹き飛ばすのか。
さあ、見届けよう。
アマチュアを代表して頂点に挑む、俺たちの、私たちの中の最強位が決まる戦いを。
東家:福本 南家:岩間 西家:渡邊 北家:安部
東1局、親の福本がいきなり勝負手を入れる。
自風の、を鳴いており、ダブホンイツ、高目のならチャンタもついて18000点、決勝を優位に進めるのに十分なテンパイだ。
この時点で待ち牌のは渡邉と安部が1枚ずつ所持、は岩間が3巡目に切り、残りはこちらも安部が所持と、山に福本のアガリ牌はない。
ただ、渡邉や安部が手を進めていけば、いずれ打ち出されてもおかしくはない。
しかしここは、全員がしっかりとディフェンス。
粘った岩間も終局ギリギリでテンパイを入れ、2人テンパイの流局となった。
次局は岩間がドラの単騎待ちリーチを敢行。
待ちとしては決して優秀ではないが、トップのみに勝ちがあるこの戦いにおいては、リーチのみの手と比べ、ツモれば満貫スタートのこの手はあまりに価値が高い。
おそらく岩間も、通常の麻雀であれば同じリーチは打たないだろう。
岩間にとって、勝負のリーチ。
しかし誤算だったのは、ドラは他3者が1枚ずつ持ち、山にはもうなかった、ということだ。
さらに同巡、渡邉がカン待ちで追っかけリーチ。
こちらは誰の手にもなく全てが山、枚数は0枚対4枚。