役満・四暗刻のリードを守れ! 松本吉弘、トップ獲得までの長い戦い
文・東川亮【月曜担当ライター】2020年11月16日
麻雀に限らず、追う立場と追われる立場というのは心理面で大きな違いがある。
有利不利の話だけに焦点を当てるならば、当然ながらリードしている側の方が有利だ。
ただ、追われる側はリードが大きければ大きいほど「勝たなければいけない」という守りの意識が働くだろうし、追う側としては、チャンスがあれば思い切って勝負に踏み込んでいけるということもある。
時間切れがない麻雀というゲームにおいては、序盤の大きなリードが心理的なプレッシャーになる、という経験をしたことがある方も少なくないのではないだろうか。
第1回戦
東家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
西家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
近藤、寿人がアガって迎えた東2局。
親の松本は2巡目でメンツ手も七対子も見える形。
この日がMリーグ初解説となった堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)は
「これは行っちゃいますか」
と語った。
マンズの並びが良く、を払ってタンヤオ形へ向かう、という選択もあり得る、ということだろう。
しかし、松本は切り。
七対子のイーシャンテンはキープだ。
そして、この選択が最高の結果へとつながった。
4巡目にツモ。
5巡目、ギリギリと力を込めてツモった牌は、燃えているかのように赤い。
わずか5巡にして、役満・四暗刻のテンパイにたどり着いた!
赤が1枚あるこの形であれば、リーチをかければ出アガリでもリーチトイトイ三暗刻赤の18000、裏ドラが絡めば24000という超高打点も狙える。
ここはリーチだ!
切り出したの位置から、松本がこの手をほぼツモり四暗刻1点に絞っていたことが分かる。
一発目のツモは・・・
まさかまさかの!
リーチ一発ツモ、四暗刻。
大和証券Mリーグ、2020シーズン初役満は、渋谷ABEMASの若武者が成就させた。
しかも親番、16000オールである。
わずか6巡での役満ツモ、これぞまさに
「やってんな!」(渋谷ABEMAS公式Twitterより)
もってぃ!!もってぃ!!!🥺🥺
親の役満【四暗刻】一発ツモ!!🎊🎊
いきなり過ぎて思考回路が追いついてませんが、とにかくおめでとうございます!!!😭😭
渋谷ABEMAS、Mリーグ役満2号目です!!👏#渋谷ABEMAS控え室#松本吉弘(@yoshihiro_npm)
— 渋谷ABEMAS(シブヤアベマズ) (@shibuya_Abemas) November 16, 2020
「やってないわ・・・」
東2局にして、松本は3者に対して5万点以上のリードを奪った。
とは言え、まだ東2局と序盤である。
近藤、寿人、亜樹という3人の強者は、このリードをひっくり返すべく、虎視眈々とチャンスを狙ってくるはずだ。