渋谷ABEMASが突き進む
絶対王者への道…
百獣の王と化した白鳥翔の牙
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2021年1月25日
先日、これまで麻雀をまったく知らなかった友人と会った。友人は昨シーズンからMリーグを見始めたらしく、麻雀やMリーガーについても詳しくなっていた。うれしい限りである。話の中で「魚谷さん結婚しちゃったんだよ~」と悔しそうにしていたのが印象的だった。本記事には登場しないが、魚谷侑未選手ご結婚おめでとうございます。

1試合目を終えてのチーム状況はこちら。渋谷ABEMASが独走状態である。松本吉弘がラスに沈んでしまったが、それでも2位のEX風林火山とダブルスコア以上の点差がある。いよいよマジック点灯といった雰囲気だが、麻雀は何が起こるかわからないので当確とはいえないか。そう、この試合のように。

1月25日 第2試合
東家 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
北家 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
2試合目の選手は何でもござれの強者が揃った。白鳥と堀は2連勝中で今シーズン初の3連勝が懸かっている。勝又、寿人のふたりも前回出場時にトップを飾っていたので、全員に連勝が懸かる一戦となった。

東1局。

先制リーチは寿人。待ちの好形が完成した。

このリーチに対し、一発で当たり牌のを掴んだのは勝又。自身の手も十分なのでそのままツモ切ってもおかしくない。

ここは打とした。
は寿人に通っていないが、
はドラの
に近い(
のカンチャン待ちなどが予想できる)ので切らなかったというのもあるだろう。この判断が状況を変える。

親の堀が追いついたのだ。待ちはカン(場に1枚切れ)と悪いが、それでも果敢にリーチした。寿人は何でもリーチをかける傾向があり、愚形同士のめくり合いになっている可能性もある。今回は本手だったが。

勝又も二軒リーチとなっては勝負できない。上図からを抜いて退いた。

結果は堀の勝利。リーヅモ赤に加えて裏も乗って4000オールを決める。リーチをかけていなければできなかった満貫だ。堀が3連勝に向けて好発進。
東1局1本場。

この局は勝又にチャンス手が入っていた。2巡目にしての暗刻があってイーシャンテン(打
)。

が暗刻になり、カン
も埋まってテンパイ。あとはどういう待ちにするか。

勝又はを切ってカン
待ちにした。3巡目に
を切っているので筋で出やすくなっている。ほどよく時間が経っているので、勝負手や手詰まった人からならば出てくるだろう。

勝負できそうだったのはトップに立っている堀だった。

リーチに対応しつつもきれいなテンパイが入る。ここは打として、リーチ者勝又の現物である
を捕らえる方針に出た。ただ、前巡の打
がリーチに通っていない強い牌であったことは3人とも見逃していなかっただろう。

あっとを掴んでしまった。これはどうしても出てしまう。こうなると押したのがどうだったかと言われてしまいそうだが仕方がない。今回は裏目に出てしまった。勝又が5200は5500のアガりを堀から決めてトップを追う。
東2局。

上昇気流の勝又がこの局で面白い手順を見せる。まず初手は打。筒子のホンイツを見せてこれは自然な一打だ。

が重なり、打
でホンイツが色濃く見えてきた。

しかしそのは白鳥と持ち合っていた。お互いに
に頼るとアガりにくくなる格好に。

が暗刻になった。どんどん手が伸びていく。メンホンチートイツの可能性もあったが、
の面子には触れず打
。

次巡、場に3枚見えて不要そうなを残して打
。手の内から真ん中の筒子2枚を落としていったのだ。これがなるほどの手順だった。

勝又はこのあと、手の内から→
→
と入れ替えていったのである。ホンイツであることをボカし、あたかもチートイツであるように見せたのだ。こうなると序盤に手出しで
と払っているので、
待ちが盲点になりやすい。特に中盤で
を見せたのは大きく、筒子で染まっているかは何ともいえない。
