価値のあるトップ争いとは…
己の我慢で襷を繋ぐ
瀬戸熊直樹、気合の押し引き
文・渡邊浩史郎【金曜担当ライター】2021年1月29日
2021年が始まったかと思えば、もう1月も終わろうとしている。
時が過ぎるのはあっという間、Mリーグもついこの間始まったかと思えばもう終盤戦に突入している。
各チームも「まだ〇戦ある」というよりは「もう〇戦しかない」といった方向に心境変化していきそうなこの終盤。ボーダー争いは例年通り苛烈を極めている。
1月29日 1回戦
東家 前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
ボーダー争いの熊VSゴジラVS神、それを見下ろすABEMAS日向となったこの一戦。
本日出場のチームで一番下位にいるのはTEAM雷電。その1戦目、卓上の暴君・瀬戸熊がチームのボーダー脱出を賭けた戦いに躍り出た。
それでは早速見ていこう。
【東1局】
いきなり前原のリーチドラ4裏1の親ハネマンが炸裂。たろうが聴牌から放銃となってしまった。
目下ボーダーライバルのドリブンズの放銃とあっては瀬戸熊としても決して悪くはない。とはいえやはりほしいのはトップだということを考えるときつい部分もあるだろう。
【東1局1本場】
瀬戸熊の手が悪くない。
あれよあれよという間に6巡目でくっつきのイーシャンテン。
8巡目に持ってきたのはドラの。これは当然手に残すかと思ったが……
ツモ切り!!
マンズの場況が良く、ソウズの場況が悪いということだろうか。とはいえかなり思い切った選択だ。
次巡、聴牌。ここは……
打でダマ。たった今二枚目のが切られてしまい、待ちは期待薄。三暗刻変化や多面張を期待してのダマテンだ。
ここに前原から親のマンガン確定の超ド級リーチが入る。
これを受けた瀬戸熊は……
ツモ切り追っかけリーチ!!
三面張はフリテン。前原に通っている牌は少なく、河も強いとなればここは現状のこの形でリーチ合戦に持ち込んだ。
勝負掛けにいった局面だったが前原の当たり牌を掴んでしまう。18000をアガった親の前原に12000の放銃と、態勢を重んじる瀬戸熊にとっては良くないものを感じ取る1局になってしまっただろう。
【東1局2本場】
18000、12000とアガった親の前原の配牌がすこぶるいい。どこも選べないと、第一打からドラを切り出していく。
これが見事にはまり、高め三色のリーチが3巡目に放たれる。まさに前原の独擅場になるかと思われたところだったが……
そこに立ち向かっていったのが瀬戸熊。まずこのイーシャンテンからワンチャンスのを打ち出し……
この形に。ここから……