密着! 激震の1戦目
躍進の2戦目に続いて
EX風林火山 二階堂瑠美は
3戦目をどう戦ったのか!?
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2021年10月28日
10月8日、金曜日。
この日Mリーグ初登板だった二階堂瑠美。
武器である手役狙いの長打を活かし切ることが出来ずに4着。いくつかの手順についてSNSでも論争が起きた。そんなほろ苦い、いや、めちゃくちゃに苦いMリーグデビュー戦を終えた瑠美。
だが、彼女は、
その後プロクイーン決定戦に優勝。
さらに、
Mリーグ2戦目では60000点を超える大トップを獲得。
まさに逆風を追い風に変える快進撃を見せる。鋼のメンタルの持ち主であることは間違いないだろう。
思えば、1戦目は初めてのMリーグでの戦い。慣れない環境、いつもと違う対戦相手からミスが出てもしょうがない部分はあっただろう。1戦目の打牌だけで、それを実力だと決めるのは到底無理がある。実際にMリーグ2戦目は、場慣れを感じる素直な手作りをしていたように感じる。
ただ、2戦目でトップを取ったから強い、というそんな簡単なものでもないだろう。
今回で3戦目。もちろんその3戦というのも短期中の短期。麻雀というのはそんな短期で実力が測れないゲームではないというのは百も承知だ。
ただ、こんなにも「強いのか? 弱いのか?」と話題になった二階堂瑠美の打ち筋を、観戦記者として真剣に分析してみたくなったというのが今回の記事を書いた本音である。
決して私がルミアキ世代だからではない。
当記事では1試合目を取り上げるが、
Mリーグ3戦目となる二階堂瑠美の打牌に密着して意図を汲み取って、私なりの考えも添えてみたいと思う。集中的な取り上げ方になるのをご容赦願いたい。
東1局、
2巡目にを打ってややスリム目に構えた瑠美。4巡目に急所のを引くと一気にギアチェンジ。三元牌のを先打ちして自風のをキープ。臨戦態勢に入る。
そのまま6巡目にテンパイ。カンという愚形テンパイだが即リーチに踏み切るのがいい。打点が6400以上になるのが魅力だ。
この局は、
親の沢崎が一歩も引かずにダブをポン。手にはドラのが3枚入っている!
を切るとの変則三面張だが、
なんと沢崎は打! 瑠美の現物に狙いを定める。→と続けて切ることが出来るのも、ターツ落としを思わせて待ちによる要素になるか。
瀬戸熊が打ったを沢崎が見事とらえて12000。技ありのアガリである。
続く東1局1本場、瑠美は3巡目に、
ここからペンチャンターツを払う。を残すとすると、→の順に切っていくことになり手牌の守備力がかなり低くなってしまう。
ソウズのホンイツや345の三色も視野に入れつつ、ガードは固めておくという手役派の一打だ。
この手が6巡目に、
を引いて一歩前進。瑠美はここから、
打! これはソウズの上目が若干薄いためにイーペーコーを確定させる、というのもあるが、上家の瀬戸熊ドラのを切ってきたあとでを手出ししてきたことへの対応だろう。確かに瑠美の手には上家の現物がない。1枚切れのや、ション牌でも比較的安全なを持っておく、という意図かと考える。
ただ、この進行だとメンツ手として手が進んだらどのみち字牌が出ていってしまう。やを持っておくルートにするなら、思い切ってソウズのホンイツを狙ってを切るのはどうだろうか。それなら続けて中張牌を処理出来るうえ、字牌を重ねたときにはメンホン七対子イーシャンテン。ホンイツで仕掛けての満貫コースも残る。
次巡、やはり瀬戸熊からリーチがかかり、
瑠美はこのために取っておいたを切る。
七対子イーシャンテンとなったわけだが、さらに次の巡目に、
瑠美はを重ねてテンパイし、
をプッシュ!
まだ残りスジも多く、瀬戸熊はドラのとを切っている。愚形ではは当たらないであろう。そもそも完全に通る現物がないというのもある。