どこまでも
現実的な天才
どこまでも
実戦的な戦士!
個性的な
乙女達の
共演を見よ!
【B卓】担当記者:増田隆一 2021年11月14日
ある日、唐突にシャンパンが飲みたくなった。私は普段、シャンパンを飲むことがないので、折角なら美味しいものを飲みたいとシャンパンの代名詞である黒沢咲にLINEをしてみた。
「オススメのシャンパンない?」
しばらくして、黒沢から返信があった。
「クリュグが美味しいよ」
…そんな高いもん買えねえよ。やはり、セレブは飲んでいるものが違う。
恐る恐る、と言うよりも完全に興味本位で聞いてみた。
「やっぱりツマミはキャビアかな?」
するとこう返ってきた。
「お寿司をツマミに飲むのがいいよ」
私のような庶民の発想がいかに貧困かと恥ずかしくなる。
と、同時に、試合前にナマモノ大丈夫かな?と思ったが、黒沢が行くような寿司屋ならばそんな心配も無用だろう。
話が全く麻雀と関係なくなってしまったが、優雅に過ごせば心も豊かになる。心が豊かになればゆとりも生まれる。
黒沢の麻雀は、ゆったりと構えて優美なアガリをモノにする。まるで私生活が投影されているかのようである。
最後に本人に意気込みを聞いたので載せておく。
「最強戦は、とりあえず瀬戸熊さんを1人にはできないので頑張って勝ち上がります😤」(原文ママ)
だそうだ。ファイナルの舞台での瀬戸熊との共演へまずは第一関門。期待したい。
余談となるが、夜、こんなLINEが送られてきた。
「まっすーが寿司寿司言うから食べたくなって頼んだ😂」(原文ママ)
それほど詳しいわけではないが、古伊万里と思われる皿で届いた出前。値段が気になるところである。
昨日、王位戦予選の会場に仲田加南の夫である土井(最高位戦)がいたので、試合終わりに少し話をしてみた。
「加南ちゃん、最近何食べてるの?」
土井は「は?」と言う顔をしていた。もちろん、最強戦の観戦記を書くことは伝えていない。
「ベッドの周りにスナック菓子はたくさん置いてありますね…」
うーん…ネタとして弱いなw
「明日、(仲田の)最強戦でしょ? 今日の夕飯は何食べるの?」
コイツ、何で食べ物の話ばっかなんだよと訝しげな顔をしながら土井が答える。
「ボクが焼いた肉とかつまんでますね」
うーん…弱いw話が膨らまないと思っていたら土井が口を開いた。
「最強戦と言えば、いつも予選はどうせ勝つし決勝のシュミレーションやろうって言うんですけど、今回珍しく弱気で予選勝てないかもしれないって言ってるんですよね」
近い人間なら知っているが、豪快な見た目とは裏腹に仲田加南と言う人間の中身は繊細だ。
勝負所での気持ちいい押しっぷりと、自信に満ち溢れた模打に隠されがちだが、それは麻雀にも出ている。
よく見ていると、ここと決めた時以外はかなり繊細に打っているのが分かると思う。
土井からだけ聞くのもあれなので、本人に今回の意気込みを聞いてみた。
「あまり意気込まないようにやりたいですね。
凄く良いメンバーなので、いつも通りやって楽しみたいです。
ただ、Mリーガーじゃないのに(今回のリベンジに)選ばれたことで責任は感じてます。
非Mリーガー代表として…と言ったらおこがましいけど、簡単に負けるわけにはいかないです!」(原文ママ)
Mリーグの舞台に立っている者と立っていない者。麻雀プロ人生において大きな分かれ道とも言える。仲田の発言は、「私だって舞台に立てば負けない」そんな気持ちの現れであろう。それだけに、仲田の反骨精神に期待したい。
ちなみに、最近はひたすら麻雀格闘倶楽部とカラオケの練習ばかりしているらしい。
魚谷侑未と初めて会ったのは新人研修の時だった。自分が納得出来ないことはとにかく聞いてくる。当時の印象は一言で言ってしまうと「生意気」。
しかし、魚谷を知るにつれ、徐々にその印象が間違っていたことに気付かされる。魚谷侑未は、とことん真っ直ぐ物事に向き合う人間なのだ。SNSなどを見ていても、私なら「そうですねー」、「そう言う考えもありますねー」などとお茶を濁してしまいそうな質問や批判に対しても真剣に向き合う。
お世辞抜きに素直に凄いなと思って見ている。
麻雀は私如きが今更説明するまでもなく強い。
女流戦での強さはもちろん、王位戦や日本オープンといったオールカマーのタイトルも獲得し、実績は充分。
今回もその強さを遺憾なく発揮してもらいたい。