麻雀最強戦2020で
BIGチャンスをゲット!
ごきげんな一発屋、
新井啓文の不機嫌な自戦記
第2回 痛恨のオリ打ち
家にいる時間が多くなる今日この頃。
いつも通り趣味のエゴサをしていると、
Wikiで自分のページができていた。
これには感謝感激雨霰。
百恵ちゃんならうれションものだろう。
編集していただいた方にはお礼申し上げたい。
作成日が4/7(火)ということで、
おそらく本対局をご覧になった方が作ってくださったのかと思う。
最強戦の注目度の大きさを改めて感じた。
予選C卓は起家から
近藤久春(連)
阿賀寿直(協)
谷井茂文(R)
新井啓文(最)
この中では近藤が初対面だったが、なんとアラ還とのこと。
麻雀界は年齢不詳な方が多い。
好きなことを続けているから老けないのだろうか?
控室でも気さくに声をかけてくださる、文字通りのダンディである。
局面が動いたのは東2局 ドラ
8巡目
ここから打
1位抜けの最強戦システム。
平たい東場で2000~3900点アガっても効果は高くないと考え、
「マンガン以上効率MAX」に受ける。
10巡目
をポン
打牌はかで結構難しい。
ピンズ上が安い。
ピンズで2メンツ・対子落としのマンガン手順はありそう。
しかしは谷井にはやや安全なものの三者共通危険牌。
も危険牌。
さらに全員ストレートに手を進めている印象でこの巡目。
まもなくリーチが掛かりそう。
を切り遅れてもでオリることはできる。
でも一発勝負でこの手牌。
放銃は受け入れるにしてもオリたくない。
わからん!
第一感を信じて切りとした。
麻雀こういった「答えが出ない局面」が多い。だから面白い。
きっと我々麻雀プロは答えに辿り着けないと知りながら、
でも探し続けて、結局わからないまま墓に入るまで麻雀を打ち続けるのだろう。
終わりなき旅である。
この局見事だったのは谷井。
この形から13巡目に出た をスルー。
さらに14巡目に上家から出たもスルー!
そして17巡目
一発ツモで2000/4000!
1位抜けのシステムにアジャストした素晴らしいアガリ。
私もマンガン聴牌を入れていたが及ばず。
谷井が頭一つ抜け出す。
痛恨の東3局… ドラ
先ほどマンガンをアガりトップ目の谷井の親番。
この局は開始前から考えていたことは、「連荘させないこと」
しかしその意識が強すぎたか。
7巡目、かなり危険なポン
滅茶苦茶寒い手牌…
ここでを切ったが、ドラの切りだったか。
1000も2000も大して変わらないので、安全を買ってドラの先打ちは有力だったと思う。
ドラを連続で引いた日には悲惨だが、
この局は打点に見切りをつけるべきだったか。
数巡後、近藤のリーチを受けオリ。
更に終盤、阿賀のリーチを受け完全手詰まり。
1000点供託でパスしたい…
実戦は【2p】を選び、近藤にマンガン放銃。
私が頼りにしたのは近藤の
××(リーチ)
の切り順。
であたるとしたら純粋両面で、今回のようなドラ頭のケースは少ないかなと思っての選択である。
の部分は手がかかるのが最後になるだろうと。
別名苦し紛れのこじつけと言う。
実戦の宣言牌は空切り。やられた!
(阿賀の待ちは)
ただもう一度見直してみると、も有力だった。
阿賀はリーチ宣言牌のスジであるを対子落とししているが、が現物。
そこまでブリブリ押している感じではなかったので、
もし阿賀がを持っているならここで切っていたのではないか?
という読みはあるべきだったか。
単純に
「追いかけリーチの一発目」
を過大評価してしまった。
とこの瞬間の打牌をあれこれ考えてみたものの、
結局はポン・打の選択の罪が重かったということだろう。
オリ打ちは放銃した瞬間も大事。
しかしそう構えてしまった過程が百倍大事。
「トップ目の親を落とそう」
という意識が最悪の結果を招いてしまった。
こういう時に重要なのはとにかく引きずらないこと。
勝負の最中に反省してはならぬ。
「ハイ」でリセット。
放銃時しっかり返事することはこの日強く意識していた。
その次局、ハイテイで6000オールをツモ。
親リーチでハイテイ手番が回ってくる展開、僥倖である。
次局の親リーチは谷井にかわされるものの、トップ目で南入。
良くも悪くも局面に参加できている。
地蔵になるのと比べたら感触は悪くない。
南1局 ドラ
実はピンチだったこの局。
10巡目、親の近藤がドラ切り。
12巡目に持ってきた近藤の現物を残し打
13巡目、近藤からリーチ。宣言牌のを南家阿賀がペンチャンでチー。
直後の私の形
打で阿賀に三色・1000点を放銃。
ところでこの手、がのままなら何を切るだろうか?
一応テンパイということもあり、中筋のになりそうである。
近藤のリーチは
なんとびっくり、は放銃!
対局中は知る由もないのだが、やはり備えは大事である。
ちなみに阿賀の仕掛けはをポンしておらず、
先打ちのペンチー。
しかも谷井が国士。
でアタる分には九分九厘1000点だ。
「阿賀さん、アガって!」と願いながら切った。
前巡引いたが残せるタイミングだったのは幸運といえよう。
南2局を迎え点棒は
近藤 25000
阿賀 17600
谷井 27700
新井 29700
全員に可能性がある僅差のまま対局は終盤へ向かう。
(文中敬称略)
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。2013年に最高位となり最強戦ファイナルに出場するも猿川真寿プロに敗れる。2020年最強戦プロ雀士ランキングベスト16大会において、嶋村俊幸プロの欠席により繰り上げ出場し優勝。ファイナル進出を決めた。