決め手はラス前の攻防──
松本吉弘の
ベストバランスが
作り出した
オーラスの新たな選択肢
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年2月27日
第1試合
東家:本田朋広(TEAM雷電)
南家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
西家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
Mリーグ2022シーズン81日目第1試合。
アベマズの先発、松本はトップ目で南4局を迎えていた。
現状45,200点持ち。
3着・4着とは大きく離れているものの、2着の仲林(ラス親)との点差は5,500点と、1回のアガりで逆転されてしまう僅差だ。
8巡目、松本に平和・ドラ1の待ちのテンパイが入る。
アガればトップで終局となるテンパイ。ダマテンで息を潜める。
しかし簡単には終わらない。2巡後、仲林からリーチが飛んでくる。待ちはカン。
直後、松本が引いたのは無筋のだった。
松本は選択を求められる。
自身はテンパイしているので、当然プッシュする選択もあり得る。
しかし相手は2着目の親。はたしてどこまで押していいのか──
この試合、松本はアガり回数5回と鋭く攻め込んでいた。
東1局では、仲林がツモれば対々和・三暗刻の跳満になる大物手、たろうが四暗刻のイーシャンテンとチャンスが訪れていた中で
リーチ・ツモ・ドラ1の1,300-2,600をツモり、スタートダッシュを決める。
東3局自身の親番にて、たろうから先制リーチ(待ち)を受けるも
すぐさま、カンで追いかけリーチをかける。
そしてなんと一発ツモ!
リーチ・一発・ツモ・ドラ1の4,000オールで他を大きく突き放しトップ目に立つ。
そんな松本に追随したのが仲林と本田だった。
それぞれの親番で4,000オールを決め、トップ争いに名乗りを上げる。
しかし南3局2本場、仲林・本田のリーチ合戦の末、仲林が本田から12,000点をアガり、本田はトップ争いから離脱。
トップ争いは松本と親番を残した仲林の2人に絞られた。
そして冒頭のシーンに戻る。
松本はを力強く押した。
松本から見た全体がこちら。