回収するのは、勝利と伏線?! 軍師勝又健志が張り巡らせた[罠]とは【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4/21】担当記者:後藤哲冶

回収するのは
勝利と伏線?!
軍師勝又健志
張り巡らせた[罠]とは

文・後藤哲冶【金曜担当ライター】2023年4月21日

いよいよ始まったMリーグセミファイナルシリーズだが、気付けば早くも折り返し地点。
まさに短期決戦というこの戦いの中、EX風林火山はこのセミファイナル前半戦苦しい展開に見舞われていた。

これが、このセミファイナルに入るタイミングでのチームポイントランキング。
レギュラーシーズンで586ものプラスポイントを積み上げた風林火山は、半分になっても十分なリードとなる293ポイントを持ってのスタート。

そしてセミファイナルも半分を経過しようというこの日の第2試合スタート時点でのポイントが

こちら。
風林火山は実に200ポイント近くを失い、プラスは2桁に。
下位のチームが迫っていることもあり、この第2試合の結果如何では一気に敗退の危機に追いやられると言っても過言ではない。

なかなかポイントをプラスすることができずに苦しむチーム。
そんな時に出てくる選手といえば。

勝又健志だ。
百戦錬磨の経験と知識を武器に、最適解を導き出し続ける軍師勝又が、風林火山の危機を救うべく出陣する。

4月21日 第2試合

東家 内川幸太郎 (KADOKAWAサクラナイツ
南家 伊達朱里紗 (KONAMI麻雀格闘倶楽部
西家 鈴木優   (U-NEXT Pirates
北家 勝又健志  (EX風林火山

対局は東1局から激しいぶつかり合いの様相を呈していくこととなる。

勝又が第1打に切った【東】を伊達がポン。
【3ソウ】【5ソウ】のターツを払い、マンズのホンイツへ。手があまり整っておらずとも、役牌2種とマンズのターツが2つあるので十分ホンイツに向かうことができる。
南家ということもあり、親がやり辛くなるのもポンの選択を後押しした。

5巡目に勝又は【6ソウ】をツモって盤石の形に。
【3ソウ】【6ソウ】【9ソウ】【7ソウ】【3マン】【6マン】【8マン】の広いイーシャンテンだ。打点も最低で3900以上が担保されている。

しかし勝又がその広いイーシャンテンながらも時間がかかっている間に、優がカン【4ソウ】を引き入れてテンパイ。
ドラドラで打点もあるこの手、優は迷いなくリーチへ。

そしてそこに、一発で迷いなく【8ピン】を切り出す勝又。
もちろん通っていないが、この整った手形ならば関係ない。
勝又はそこから更に

凄まじいほどに無スジを連続でプッシュ!
これにはリーチを打った優も、そして他2人も肝が冷えたことだろう。

そうしてようやく入ったテンパイだったが、タンヤオのつかない【9ソウ】引き。
リーチの優の現物待ちということもあり、ここは【4ソウ】を切ってダマに構えた。

ホンイツへ向かっていた伊達が追い付いた。優のアガリ牌【8マン】を引き入れて【4マン】【7マン】待ち。(右端の牌は【8マン】
親の内川以外の3人のアガリ競走となったこの局は。

勝又が【4マン】を掴んで伊達に放銃という結果に終わった。

結果はともあれ、この押しっぷりは他者の目からは鮮烈に映ったことだろう。
もちろん、これまで幾度となく対局を繰り返し、そして映像でも見ている相手ではあるが、それでもその日の印象というものはついて回る。
もしかしたらこの時対局していた他3者は「勝又さん、チームが最近調子悪いし、今日は押し強めなのかな?」と思ったかもしれない。

東2局

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