4か7か…
牌に翻弄された
茅森早香の選択__
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年3月18日
第2試合
東家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:菅原千瑛(BEAST Japanext)
今年のレギュラーシーズンも、残りあと14試合となった。
あと14試合後、日数で言えば10日後に敗退する3チームが決定する。
現状の下位3チームは、ボーダーに位置している風林火山の躍進により非常に苦しい状況に陥っている。試合が進むにつれ、残り試合で稼がなければならないポイントが刻々と増えていく。
3月18日の試合では、8位のフェニックス、7位のビーストの直接対決となった。
どちらのチームもセミファイナル進出を全力で目指しているし、当然それを心から応援しているサポーターも大勢いる。
しかしポイントから考えて、少なくとも2チームともがセミファイナルに進出する可能性は限りなく低いだろう。
後が無くなったチーム同士のせめぎ合いは、結果がどちらに転ぼうとも胸に迫るものがある。
東3局、茅森の親番。
打点は見えないが、をポンできればスピードは確保できる。
茅森としてはトップ、欲をいえば素点の大きなトップが欲しいため、残された親番は1回たりとも無駄にはできない。
1巡目、南家の菅原が仕掛ける。
1枚目のをポン。
ターツの候補が足りていない状態から積極的に仕掛けていく。
菅原も当然トップが欲しいが、最悪トップが取れない場合はセガサミーフェニックスとの差を縮めないために茅森より上の着順になることが重要だ。
そのために、茅森の親番は早く終わらせるに越したことは無い。
4巡目、茅森はリャンシャンテンまで進み、孤立していたを切る。
そのを、西家の多井がポン。
多井は菅原と違い、何が何でも茅森の親番を落としたい訳では無いため、アガリに向かえる手が入ってシンプルに進めていると見ていいだろう。
をポンしたときの打牌はで次巡は。
カンのターツ落としが入る。
次巡、菅原が切ったをチー。
多井にカンのテンパイが入る。
→とターツが余った後にリャンメンでのチーなので、ほとんどテンパイに見える。
同巡、茅森もイーシャンテンになる。
ペンチャンを外し、・のシャンポンとのイーシャンテンに構える。リーチをかけられるのがベストではあるが、多井のスピードを考えればのポンテンも逃したくない。
そしてバラバラだった菅原の手も勝負手に育っていく。
ドラのを重ねリャンシャンテンに。
スピードは3人の中で一番劣っているものの打点は満貫が確定している。
直後、茅森はを引く。
678の三色を狙うことができるが、茅森はなんとをツモ切り。
三色になれば6,000オールまで狙うことができるが、のポンテンが取れなくなりスピードはグッと落ちてしまう。
フラットな状況であればを落とすのが茅森のフォームと思われるが、多井・菅原のスピードに合わせた柔軟な選択を見せる。
その直後、菅原から出たをポンして待ちのテンパイとなる。こうなれば余程のことが無い限り撤退は無いだろう。