瑞原明奈を追い詰めた、渋川難波の「粘り力」【Mリーグ2024-25観戦記 10/29 第2試合】担当記者 #髙倉拓馬

瑞原明奈を追い詰めた、

渋川難波の「粘り力」

文・髙倉拓馬【火曜担当ライター】2024年10月29日

 

レギュラーシーズンはまもなく全試合の1/4が終わろうとしている。

ここまでいまいちパッとしないスコアの瑞原と渋川。10/29の第2試合は、そんな2人のトップ争いと、その争いに敗れた者が2着に必死にしがみつこうとする、そんな姿が印象的な戦いであった。

渋川は前登板、6000オールの一撃で勝利。

耐えに耐え、高打点の鉄槌を下すのが持ち味。連勝でプラス域に戻りたい。

 

第1試合でトップを飾ったパイレーツ。瑞原のトップで、デイリーダブルを達成することはできるのか。

 

東1局

瑞原、6ブロックに構える打【4マン】

牌効率的にはピンズのカンチャンを払い、1シャンテンの受けを最大化するのがセオリー。

だがここは純チャンの目を残してカンチャンを残した。

仮に先にソウズの面子が埋まってしまっても、打【4マン】【1ピン】【3ピン】と払われれば、【3マン】が少し通りやすくなる。牌効率上ロスになっても、テンパイ時の出アガリ率でカバーできる公算も高い。

結局ピンズが伸び、端待ちを優先してマンズを払いきることになった。

端牌が絡む待ちには

「端牌を持ったまま降りるか」

「使い切れずに出ていくか」

の2択を強要させる効果がある。

【4マン】が先に切られている【3マン】【6マン】のターツよりも、ソウズの待ちの方が優秀だという判断を下した。

【6ソウ】【9ソウ】が先に埋まり、【1ソウ】【4ソウ】待ちでテンパイ。これが4山残りで、

一発ツモ。ターツ選択がはまった。

 

この裏で見せた、渋川の打点に大振りする選択が面白い。

この手から打【2ピン】

受け入れマックスは打【赤5ソウ】だが、ここはイッツーか赤のくっつきしか見ない。

ドラが【7ソウ】なのも大きいか。

直後、勝又から出た【3ピン】を、

何食わぬ顔でスルー。愚形2つ残りなのでチーする方もいるだろう。

渋川はこの手を必ず満貫に仕上げようとしてスルーしている。【赤5ソウ】が黒であれば判断は変わっていたのかもしれない。

Mリーグルールはトップが大きいルール。決定打にできる手牌が来たら、ギリギリまで妥協せず狙うのが渋川の持ち味である。

 

その渋川の持ち味が、東2局で存分に発揮される。

親の渋川。【4ピン】が重なり、打【8ソウ】としてホンイツ一直線。

1枚切れの【中】を打って門前、イッツーも考えたくなるが、かなりの割合で鳴くことになる手、門前の高打点が成就する割合は低い。

それよりも【中】が重なって、役役ホンイツや役、ホンイツイッツーのような仕掛けても満貫ある手を狙う方がよいと判断した。

連続で【發】をツモ。一気にパワーアップした。

すぐに【8ピン】が出てチーし、

【1ピン】を引いてきて【2ピン】【3ピン】待ち。高めはイッツー満貫だ。

この【5ピン】空切りをノータイムで行うところに、渋川の強さを感じる。

盤面を整理して、【5ピン】空切りの効果を確認してみよう。

この【5ピン】空切りには2つの効果がある。

1つ目は【2ピン】待ちのアガリ率上昇」

他3者目線で渋川の手牌を考えると、【2ピン】は2枚切れのため、【2ピン】が当たるとすると単騎、カンチャンしかない。

しかし、渋川の手牌がホンイツである可能性が高いことから、

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