連覇への再出発に、
頼れる船長・小林剛
向かい風恐れることなかれ
文・後藤哲冶【代打ライター】2025年1月23日
パイレーツクルーにとっては直近、苦しい日々が続いている。
昨年の12月24日にデイリーダブルとなる連続トップを獲得して以来、ここまでトップのないゲームが続いていた。
1月6日には2連続4着もあり、ポイントが激減。
まだまだプラスではあるものの、上位陣との差がじわじわと開き始めている。
今日の第1試合に登板するのは船長の小林剛。
しかしその相手は、一筋縄ではいかない相手に囲まれてしまった。
南家には、先日6連勝チャレンジこそならずも、今シーズン絶好調のドリブンズ浅見。
西家に、先日Mリーグ久々の役満大三元を成就させ、上り調子のBEAST大介。
そして北家には、今シーズン文句なしのMVP候補、400を超えるポイントを叩き出している恐ろしき新星フェニックス竹内。
しかし対局室へと向かう小林の表情に、無論気負いは感じられない。
どんな時でも、やることは変わらない。向かい風など、感じない、いや小林の中ではそもそも逆風など吹いてすらいないのかもしれない。
頼れる船長小林剛が、連覇に向けて再出発のエンジンをかけられるか。
1月24日 第1試合
東家 小林剛 (U-NEXT Pirates)
南家 浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
西家 鈴木大介(BEAST X )
北家 竹内元太(セガサミーフェニックス)
東1局
いきなり小林の手に、悪くない手が入った。
ダブ赤赤、鳴いての12000がはっきりと見える形。
副露を得意とする小林であれば、以外でもどこから鳴くかを考えていただろうか。
鳴ける牌が1枚も出ないまま、形が整っていく。
を引き入れて、これで盤石のイーシャンテン。ただ、小林はこのイーシャンテンからなんと捨て牌2段目すべてツモ切り。
もどかしい状態が続いてしまう。
小林の手が膠着状態になっている間に、竹内が先制テンパイ。
重ねた自風牌のを鳴いて、待ち。ならば三色がついて3900だ。
その直後、ようやく小林がを引いてテンパイ。
こちらも待ち、赤赤で役がないので、当然のリーチだ。
竹内が一発目に持ってきたのはドラの。
小林の河に通っている牌が少なく、オリきれるわけでもない且つ、自分の手が3900のリャンメンテンパイということも相まって、ここはノータイムでをプッシュ。
しかし次巡持ってきたには時間を使う。
が通って現物が2種類になったこと。
が自身の目から5枚見えていて、小林の手にが埋まっていない可能性を少し考慮して手を止めたが、まだオリきれないと判断しこれもプッシュ。
そしてさらに次巡持ってきたはさほど時間を使わずにオリを選択。
を切ってから安全牌のツモ切りを挟み、切りリーチ。
が2枚見えていることでからのシャンポン等の可能性も減っていることから本命は。
この辺りの読みが、竹内の強さの根幹を成している。
実際、は小林の入り目、当たりになっていても全くおかしくない牌だった。
この後浅見が追っかけリーチを敢行しリーチ対決となるも、小林が制して大きな4000オール!
逆風など全く感じさせない、好調な滑り出しだ。