常識と非常識は表裏一体
──鈴木大介が魅せた
Dの流儀──
第1試合
東家:鈴木大介(BEAST X)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
本日の対戦カードの注目ポイントの一つは、レギュラーシーズン突破を狙う7位・KADOKAWAサクラナイツと9位・BEAST Xが、4位・TEAM雷電の背中を追う直接対決を迎えたことだろう。
その中で、ある意味ノーマークというか自由に伸び伸びと打てる立場にあったのが
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U-NEXT Piratesの瑞原であった。
「今日はゴリラ麻雀が打てたら良いな。」
対局前には“持ち味のゴリゴリ前に出る姿勢を見せたい”と力強く拳を掲げた瑞原であったが──。
東3局
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5巡目にネックとなっていたカンを引き入れると
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タンピンも視野に入れての打とし、
カン
の二度受けに構えた。打点に重きを置いた一打である。だか、次巡やって来たのは
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結果的に裏目のであった。麻雀ではお馴染みの光景なので致し方なしと言った所だろう。しかし、その後
が暗刻になると
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突如として、瑞原は頬をぷくっと膨らませ、不満げに口を結ぶ表情を見せたのである。その理由とは…
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9巡目のツモにあった。
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もともとイーシャンテンの手牌だったが、ツモにより雀頭候補が増え、受け入れ枚数が僅かに広がった場面。
ところが、場にが2枚切れている事、そして
が縦に重なった場合、唯一の打点源である
が使えなくなってしまう点が、あの表情にさせていたのである。
もし、最初の打の所を打
としていたら恐らく
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このお宝ゲット待ったなし! と言った手格好になっていたはずだ。
ゴリゴリ攻めたい気持ちとは裏腹に、ブレーキをかけるような牌の巡り合わせ。しかし、女海賊・瑞原はここで
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打とし、
が出ていかないようカン
ターツ固定の選択肢を取ると
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シャンテン数の変わらないカンチー。タンヤオという新たな航路へと舵を切ったのである。それは荒波に飲まれそうな流れを断ち切る為に──。
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実はこの時、後手を踏まされた瑞原の隙を付くように、親・瀬戸熊がリーチ・タンヤオ・ドラ・高め三色というハネマン級の大砲を整えており、そして… 撃ち放つも
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その仕掛けは、まるで砲撃を見越していたかのように巧みに無力化としたのだった。
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こうした戦況に応じて柔軟に動きを加えるのも、瑞原の持ち味の一つ。その強みが存分に発揮された一局となった。
そして、何と言っても“ゴリラ”と呼ばれる理由──それは、ときどき見せる豪快かつ大胆な攻めっぷりにあるだろう。
南2局
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この瑞原のドラのペン待ちリーチである。
ダブにあたる南家・瀬戸熊やトップ目を快走する西家・大介。その二者の仕掛けに挟まれた局面の中、瑞原は終盤に生牌の
を強気にぶつけて勝負のリーチを発したのだった。
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