多井隆晴、奇妙な違和感の中にある確かなもの【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/11 第2試合】担当記者 カイエ

多井隆晴
奇妙な違和感の中にある
確かなもの

文・カイエ【火曜担当ライター】2025年11月11日

麻雀という、不確定要素に支配されたゲーム。
それは、思い通りに運ぶことの方が稀な、過酷なゲームだ。
そんな狂気のゲームに魅了された奇特な人物の集合体が、麻雀プロと言っても良いだろう。
さらにその世界において、長く第一線で活躍する真のトッププロがいる。
その存在は、ほんの一握り。

本局を観戦していて、何度か奇妙な違和感に襲われることとなった。
何かが少しだけ、おかしい。どこか、噛み合っていない。

11/11という、雀士には最高・最良の並びの日付け(4連トップ!)。
その第2試合の模様を、順を追って見ていこう。

第2試合

東家:高宮まりKONAMI麻雀格闘倶楽部
南家:多井隆晴渋谷ABEMAS
西家:仲林圭U-NEXT Pirates
北家:東城りおBEAST X

 

東2局

開局、仲林→東城への【北】のみ1000点の移動を経て、迎えた東2局
先制テンパイは高宮。

【8マン】を仕掛けてカン【2マン】ホンイツテンパイ。
これに追いついたのが東城。

赤を2枚内包し、満貫以上が確定の【2ピン】【5ピン】待ちリーチ。
4連勝を目指す東城。好調の波をここでも引き寄せるか。

しかし、ここは高宮が競り勝つ。【中】ホンイツは5200点を東城から出アガリ。
高宮もプラスは3桁を超え、好調を維持している。

 

~奇妙な違和感その1「四者の配牌とツモが噛み合わない」~

東3局

全員の配牌が悪い局は、親が主導権を握るものだ。子方はまずは親を警戒し、自身の手に価値が無いと感じた場合、守備的に手組みをするからだ。結果、決着は先延ばしになり、真っ直ぐ進行できる親権の優位性が増す。

ここでも高宮と多井は、ほとんど「やっていない」。
特に多井は、親に対して早くから絞り気味で、中盤にしてすでに対応している。

終盤の入口。
親の仲林にようやくテンパイが入るものの、4同士のシャンポン待ちではリーチには踏み込めない。
「これをリーチするようなプロではいたくない」と仲林は言った。
耐えてマンズとピンズの横伸びを待つも、何も引かずに流局。
他三者も親のダマテンケアで合わせ気味に打ち、仲林ひとりテンパイ。

 

東3局1本場

本局も配牌は皆、イマイチ。
中盤まで場が膠着してしまう。

子の三者の切り出しが奇妙だ。
東城はチートイツ、高宮はマンズの染め手、多井は国士模様。
唯一、親の仲林はメンツ手とチートイツの両天秤で進行するも、ドラも赤もなく手は安い。

ここで高宮がペン【3マン】でチー。
マンズのホンイツor一通orチャンタor【發】【中】の後々付け。
遠い手ながら、ドラの北が対子で打点はあり、膠着状態を打開するべく果敢に動いた。

その後、【9ピン】が鳴け、一気通貫の片アガリ【4マン】待ちテンパイ。満貫ある手だったが、ここも流局。
機敏な仕掛けだったが、惜しくも高宮のひとりテンパイ。流局が続く。

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