熱論!Mリーグ【Thu】
ライディーン達を
熱狂させる
暴君・瀬戸熊直樹の
『克己心』
文・真中彰司【木曜担当ライター】2018年11月15日
『克己心』(こっきしん)
それは、欲望を抑える心のことである。
自制心と言った方が早いだろうか。
そして、チーム雷電・瀬戸熊直樹の信条でもある。
そんな瀬戸熊直樹の所属するチーム雷電が、いま窮地に立たされている。
現在の雷電は、上位陣と約430ポイントも離れた7位。
なんとしても上位陣との差を詰めて、後半戦に繋げたいところ。
チームの命運は、リーグ首位タイの4勝を挙げている「暴君」瀬戸熊直樹に託された。
窮地のチームを救うため、そして全国のライディーン達(雷電ファンの通称)の声援に応えるため、瀬戸熊は卓上へ身を投じていくのであった…
『克己心』を胸に、様々な欲望を断ち切れるか。
【第1試合】
東家 チーム雷電 瀬戸熊直樹
南家 ドリブンズ 鈴木たろう
西家 パイレーツ 石橋伸洋
北家 アベマズ 白鳥翔
東1局、起家の瀬戸熊にいきなりの好配牌が。なんと第1ツモでイーシャンテン。
5巡目でドラのダブが重なり、一気にチャンスが広がる。
…と思いきや、たろうが前巡にを処理していた。
ドラが切られた直後に重なるというのは、どうにも感触が良いとは言えないが、
あくまでツモに素直に、のターツを払っていく。
最終的には2枚目のをポンしてとのシャンポン待ちでテンパイ。
高目のをツモれば8000オールだ。
しかし、このテンパイは瀬戸熊にとって「自分で入れた」ものではなく、「やむを得ず入れさせられた」ものなのではないだろうか。
恐らく本人としては四暗刻を最高形に見据えていたはずだ。
この時点で山に残っているアガリ牌は1枚ののみ。
腰の重い瀬戸熊のポンとあって、他家からの出アガリも期待できそうにない。
このたった1枚のをツモアガれるかどうかで、今日の運命が決まる。
そんな予感を感じさせるテンパイだった。
結果はツモアガれず1人テンパイで流局。
「大物手を逃してしまったか…」ライディーン達の心に暗雲が立ち込めていく。
次局は横移動で済んだが、瀬戸熊にとっては我慢の展開が待ち受けていた。
東2局1本場、
自風のが暗刻の手でをポン。
両面ターツも多いため、瀬戸熊なら面前で進めて満貫や跳満を目指すことも有り得る。
しかし、前局たろうに6000オールをツモられたことや、赤とドラがあって5200点以上が確保できていることから、このポンに踏み切ったのだろう。