麻雀最強戦2018
ファイナル観戦記②B卓編
瀬戸熊、福本、岩崎、渡辺…
勝者と敗者を決める
「2歩」の攻防
【ファイナルB卓】担当記者:花崎圭司
いろんな思いを持って4人の雀士が集まった。
男子プロ代表、瀬戸熊直樹。
麻雀最強戦「手役の極み」で優勝し、FINAL進出を決めた。
麻雀が好きで、麻雀プロに興味を持っているのならば、彼の名前を知らない人はいないだろう。
麻雀対局がネットで配信されるようになってからおおよそ10年たとうとしているが、その時代を牽引しているのが瀬戸熊プロである。
ネット配信の集大成のひとつが「Mリーグ」だが、そのMリーグで戦う21人のひとりとして恥ずかしい戦いは見せられない。
著名人代表「常勝の盾」で優勝した、
福本伸行。
「アカギ」「カイジ」など大ヒット作品を描いている漫画家である、と書くこともおこがましいほどの人である。そもそも「麻雀最強戦」のロゴに“アカギ”がいるのである。
A卓で戦う片山まさゆき先生、そして解説の馬場裕一プロが始めた「グッド・プレイヤーズ・クラブ」、通称“GPC”という会がある。そこで著名人の方々がリーグ戦を行い、チャンピオンを決めている。
ここ数年行けていないのだが、筆者もそこで戦わせてもらっており、福本先生と同卓したことがあるが、いつも高打点、しかも役満を本当によくアガる。「ヒットの延長線上にホームランがある」、逆に「ホームランの打ちそこないがヒット」とかいうが、福本先生の場合は「ホームランの延長線上が、場外ホームラン」といった感じだ。
全日本プロ代表、岩﨑真。
私がFINAL出場メンバーの中で一番注目している雀士である。
まずはその佇まい。ツーブロックで横流し。少し灼けた肌にスーツ姿。そのスーツも、ベストに太めの赤いネクタイ。
「麻雀界のインテリ・アウトレイジ」
そんな言葉が脳裏によぎった。
もちろん本当に無法者というわけではない。所作はその真反対で、背筋がまっすぐ伸び、摸打も丁寧だ。そのスマートさが、よりアウトレイジ感を増しているが、今回の戦いで、そのプロらしい姿に目を引いた視聴者も多いと思う。
そしてなにより全日本プロの代表である。プロが200名以上集まり、北野武監督ではないが「これからみんなに麻雀で戦ってもらいます」と、力勝負の麻雀をやり、それに生き残った猛者が、岩﨑真である。
敗者復活戦で勝ち残ったのは渡辺洋香プロだ。
現在、女流雀士が数多く活躍しているが、そのさきがけとなったひとりである。現在18期となる女流最高位、その初代女王が渡辺プロである。敗者復活、ということは一度は死んだ身である。「女流プレミアトーナメント」で敗れ、今年の最強戦は終わったと思われた。しかし前年度の最強位、金太賢プロが雀王の連覇したため「雀王」枠が空白、急遽敗者復活戦が行われ、それに渡辺プロが勝ち残った。ファイナリストの中で一番“持ってる”存在だ。
そんな差はあれど、FINALに残った人間にすんなりと来た者はいない。それぞれ思いをもって卓を囲む。
その座順は
東家 瀬戸熊直樹
南家 福本伸行
西家 岩﨑真
北家 渡辺洋香
となった。
東1局 ドラ
福本がのリャンメン待ちを選べたが、タンヤオ確定ののシャンポンリーチ。
これに渡辺が
で追っかけリーチ。
さらに岩﨑が
この三軒リーチ、勝ったのは
渡辺。岩﨑からロンアガリを決める。
東2局もリーチ合戦となる。