熱論!Mリーグ【Thu】
恐るべし前原雄大の執念!
今日の“ガラクタ”ベスト3
文・真中彰司【木曜担当ライター】2019年1月24日
※この観戦記の選手は特殊な訓練を受けています。真似すると思わぬ事故や怪我につながる可能性があるため、絶対に真似しないでください。
1月24日、ゴールドラッシュデー。冷たい風に吹かれながら
「埋蔵金を見つけて一攫千金できないかな…」
などと考えて帰宅すると、もうMリーグの時間になっていた。
1月22日(火)の試合では、チーム最下位のフェニックス・魚谷が絶体絶命の状況から気合でトップをもぎ取って話題を独占した。インタビューで感極まって涙を流してしまったシーンは記憶に新しい。
というわけで最下位のフェニックスに注目が集まっているのだが、その前にダントツ最下位だったチームは?…そう、KONAMI麻雀格闘倶楽部(以下MFC)である。
一時期はマイナス400pt近くまで落ち込み、不調のどん底にいたMFCだったが、
前原雄大・佐々木寿人の「チームガラクタ」コンビの活躍で徐々にマイナスを返済し、現在は3位にまで浮上してきた。
そんなMFCの今夜の先発は、現在6勝で個人9位の前原雄大。
いつも見上げているスタジオの天井には、何を見ているのだろうか…
前原といえば愚形リーチや安手の仕掛けなど、「ガラクタ」と呼ばれる雀風がお馴染みだ。
そこで今回は「本日のガラクタベスト3」と題した前原特集をお送りする。
①安手に無筋に親リーに 3拍子揃ったノータイム赤切り
(1戦目 東1局1本場)
前原はこの局、早々にをポンしてイーシャンテン。
現状だと2000点だが、やが重なって雀頭になればチャンタが付いて更に打点を上げられる。
そこになんと萩原からチートイツ・ドラ2の親リーチがかかってしまう。
しかも待ちの単騎は山に3枚まるごと生きている。
しかし、前原には親リーチなど関係ない。
近藤から出た(萩原の現物)をチーして無筋のをプッシュ。
1牌くらいならと、ここまでは押す人も多いだろう。
しかし、驚いたのは次の巡目だ。なんとすら叩き切った。
でロンと言われれば、タンヤオと赤がついて12000点の放銃、ということも有り得る。
ましてや自分の手は染め手でもない、ただの2000点だ。
そんな常人なら躊躇するはずの牌を、平然とノータイムで切ってしまう。
まさに「鳴いたら降りるな」というチームガラクタの格言通りだ。
結果的にこのをポンしたたろうからを討ち取り、2000点のアガリ。萩原の6000オール、たろうの満貫という2人の大物手を潰すことに成功した。
②ケンカ上等!真っ向勝負のフリテンリーチ
(2戦目 東4局)
場面は東4局、前原の親番。
マジシャンことドリブンズ・園田がをポンして萬子のホンイツをテンパイ。
前原も手広いイーシャンテンだったが、を持ってきて少考に入った。
園田に萬子は切りづらいため、比較的安全な索子を打ってテンパイ料を狙うかと思われたが、前原はそんな細かい駆け引きは考えていなかった。
ポイッ、と園田に通っていないを切っていった。
確かに園田の最終手出しはだが、のワンチャンスでは両面には当たりにくく、更に2枚切れでシャンポンにも当たらない。
テンパイ料ではなく、索子の3面張を活かしてアガリをもぎ取ろうという選択だ。
次巡、見事にを引き入れてテンパイ。
前巡に索子を打っていると、このテンパイを逃すことになっていた。それだけでも見事な手順だが、ここからが前原流。
カンに受けず、なんと待ちでフリテンリーチを敢行。
これには園田も「なんだと…危険な萬子を切って親リー!?」という仕草。
(実際は手で咳を抑えているだけなのだが)