熱論!Mリーグ【Thu】
魅せる麻雀と
自分の信念の狭間で…
チーム雷電
瀬戸熊直樹の執念
文・真中彰司【木曜担当ライター】2019年10月24日
連日熱い戦いが繰り広げられているMリーグ。
名だたるトッププロでも、なかなか勝利を掴めず悪戦苦闘している、まさに修羅の国だ。
チーム雷電の先発・瀬戸熊直樹も、トップがなかなか取れず苦しんでいる選手の1人。
好調の黒沢、萩原に続き、なんとかチームのポイントを増やしたいところ。
しかし、雷電の信条は「面白い麻雀」。
ただ勝つだけではなく、魅せて勝つ。そのジレンマが見ててもどかしくもあり、また視聴者をワクワクさせるのだ。
そして東1局から、いきなりの大物手が!
国士や七対子を見ながら進めていた手が、いつのまにか四暗刻のイーシャンテンに。
しかも、親の藤崎の欲しいを暗刻にしている。これは大チャンス。
すぐに下家の日向からが打ち出される。
瀬戸熊、これを華麗にスルー!
目先の5200点テンパイよりも、視聴者の記憶にも残る32000点を目指すことを選んだ。
しかし、ここは魚谷の1000点の仕掛けで流される。
やはりMリーグ、そう簡単に役満をアガらせてくれるメンツではない。
高くなりそうで難しい手がよく入る瀬戸熊。
親番で連荘中の東3局1本場でも、役無しカンのテンパイを入れる。
だがこの牌姿、を切れば
平和・三色・一盃口の最高形が目指せるのが悩ましい。
同チームの萩原や黒沢ならを切りそうだ。
しかしそこに座っているのは暴君・瀬戸熊。
条件が無い限り、シャンテン数を戻すことはしない。それが彼のスタイルだ。
を切ってテンパイを取るが、リーチはしない。
これは瀬戸熊の得意技・ダマテンプッシュが見られるか?
ところが、次のツモにいたのは最後のだった!
三色完成で颯爽とリーチを宣言。
しかし残り1枚のカンをツモれず流局。
大物手の空振りが続く。
続く東3局2本場、日向がをポンしてマンズのホンイツを狙う。
余談だが、日向の「ポン」の発声はとても可愛らしい。
さらに藤崎もをポンして、こちらはソーズのホンイツを狙う。
これも余談だが、
マンズもソーズも切りにくい状況で、瀬戸熊が持ってきたのはドラ表示牌の。
どのターツも場況が悪そうで、何を切るか悩ましい。
おそらく大半の人が、浮いているを切るだろう。
しかし、瀬戸熊の選択はドラの!
・下家の日向は前巡にを打っているが、藤崎に鳴かれていない。
・日向が少考してをツモ切ったことから、マンズの上でターツがある可能性が高い。
・藤崎の打点意識が高く、ホンイツで満貫にするにはが必要そう。
と、理由を挙げるならこのあたりだろうか。
しかし、ドラ自体の受け入れを消してまでドラを見切るのはなかなか出来ない。