絶好調の茅森早香を
止める打ち手は誰だ!
全く違う選択を好む
四者四様の牌譜
文・危険な鬼太郎【火曜担当ライター】2021年1月12日
1回戦は8000オールが2回も飛び出てド派手な展開となったが、2回戦はそれとは真逆で静かな局が多かった。
それもそのはず。副露率が極端に高い園田賢と小林剛が卓にいて、リーチすることが少ない藤崎智がこの2回戦のメンツだからだ。唯一茅森早香だけはバランスに寄っている打ち手だが鳴きが少ないわけでもない。
1回戦とは違って静かに進行した局の中身を皆様に紹介していく。
【2回戦】
東家 藤崎智(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
北家 茅森早香(セガサミーフェニックス)
東1局 親・藤崎 ドラ
藤崎が上手に七対子ドラドラの聴牌を入れる。
藤崎はが直前に1枚切れる前は単騎待ちでリーチに行こうと珍しく考えていたようだ。
ソウズの上がかなり切られており、は山に居そうな牌。なおかつを切っているので他家の降り打ちも誘えそうな絶好の牌。単騎待ちはヤミテンのままでも切られる牌ではないので、リーチの方が良いとの判断だ。
絶好の単騎待ちではあるが2枚切れなので渋々藤崎は1枚切れの単騎待ちを選択する。
このは同様山に必ず2枚いそうだが、とは違ってヤミテンを選択。これは単騎とは違ってヤミテンにさえしておけば必ず他家が必ず切ってくれるからだ。
リーチしても切ってくれる可能性もあるが、リーチを打ってしまったが故に止められてしまうケースも多々ある。藤崎はアガリ逃しを極端に嫌う打ち手なので9600を着実に仕留めに行く。
小林が選択。
雀頭が無い手牌だがドラドラの勝負手。切りが一番手広いし良さそうだが…。
ここは打。仮の雀頭をに定め、とで勝負する道を選んだ。
この選択は巡目の問題が大きかったはずだ。場は中盤でいつ他家からのリーチが来てもおかしくない。そのような状況でもし次順単騎で聴牌して、他家のリーチが来たら勝負できずに降りる選択になってしまう事が多い。
これがまだ巡目が浅かったらを切ってめいいっぱいに構えたいが、この選択は小林らしい守備に重きを置いた選択。
そして小林は聴牌即リーチ!
世が世ならや単騎待ちになっている人もいそうだが、小林は高目345の三色の待ちでのリーチピンフ赤1でのリーチ宣言。
単騎聴牌では満足のいく形でリーチを打つのは意外と難しくなるので、見事な小林のリャンメン固定の選択となった。
これにを鳴いていた園田がワンチャンスので聴牌から放銃。
小林がリーチピンフ赤の3900のアガリ、
小林のリーチには通っていない筋が多く、またも通りやすそうな牌なのでこの放銃はやむを得ないか。
そこから小場で進み…
東4局 ドラ 親・茅森
園田が荒ぶり始める。をポン!
まだ対子が足りていないがトイトイへと向かう。は比較的ポンしやすそうな牌でもあるし、道中で役牌のやが重なれば中打点へと打点は跳ね上がる。
もし仮に他家からのリーチがかかってしまったらの暗刻落としでベタ降りすればいい…。園田の得意な仕掛けだけに、その辺りの抜かりはない。
園田はをポンした後にを暗刻にしての
単騎待ちのトイトイの聴牌を見事に入れる。打点としては少し安くなってしまったものの、この接戦では千点二千点の差で着順が大きく変わる事があるのでバカに出来ない。
小林が園田の切ったをポン!
鳴いたは良い物の、浮いている役牌のやドラのはトイトイ臭い園田にはとても切れる牌ではない。
万が一やが通った場合に聴牌を入れる為の鳴きだと思ったが…。
小林はカンを引き入れてビシっとを勝負!待ちでの聴牌を入れる。
「安め3900で高目8000の聴牌。園田にが当たる可能性は結構あるが…打点で勝負できる!」