熱論!Mリーグ【Thu】
平均年齢54歳のベテラン達が紡ぐ、
ラスト2局の熱すぎる攻防
文・真中彰司【木曜担当ライター】2019年11月14日
この日の第1試合は、サクラナイツ・沢崎が四暗刻を決めて大勝利。
ドリブンズの新人・丸山にとっては苦いラスとなった。
第2試合のメンバーは以下の通り。
モンド名人戦かよ!! と思うほど、実力も年齢もハイレベルなメンツ。
卓内の平均年齢はなんと54歳!
たろうが「俺が最年少…(笑)」と苦笑するのもうなずける。
試合は東1局から互いに動向を探り合う展開で、流局が目立っていた。
アガリはあるものの打点も安く、南2局終了時点で最高打点は近藤の1000-2000。
上下差は約10000点と、満貫ツモで逆転できる点差。
今回はそんな緊迫したオーラス間際の攻防に注目したい。
南3局
を引き入れた沢崎にのテンパイが入る!
連勝に向けて誰もがリーチかと思ったその刹那、沢崎はを縦に置いた。
そこに、ドラのを重ねた近藤からが手出しされる。
近藤の手が進んだのに反応して、ツモ切りリーチ!
ここに、ベテランならではの局面への洞察力がよく現れている。
実況では「決めたくないのか!?」と言われていたが、逆だ。
「決め手にしようとした」からダマテンにしたのだろう。
もう一度沢崎の手を見てみよう。
仮にツモで1300-2600をアガった場合、近藤との点差はわずか1200点、藤崎との点差は4000点になる。
このメンツ・点差では横移動で終了など期待しにくいため、ラス親の沢崎にとって非常にやりにくい展開になってしまうのだ。
リーチでもダマテンでも、結局オーラスで競り合いになる。
ならば安全にダマテンというわけだ。
もしやを引いたらリーチして、跳満をツモって勝ちにいく。
沢崎の緻密なゲームメイクが光った選択だ。
ところが、状況が変わり、トップ目の近藤の手が進んでしまった。
しかも索子が場に高い状況で、ドラが固まっていそうに見える。
近藤に決め手をアガられてしまっては元も子もない。
沢崎は打点的には不満だが、押さえつけるためにツモ切りリーチを打ったのだ。
しかし、近藤は抑えられても、たろうまでは抑えられなかった。
ツモれば三暗刻がつく、とのシャンポン待ちでリーチ。
1戦目で痛恨のラスを引いてしまった丸山の想いも背負っている。
対する沢崎も、は山に4枚と十分に残っていた。
しかし引いてきたのは。スレスレのところで躱していく。
この試合唯一の2軒リーチ、アガったのは…
たろうだ! をツモって6000オール!
高打点が決まらない緊迫した展開を見事に打ち破った。
次局も2600オールをツモアガり、たろうは完全に独走態勢。
しかし、ここで簡単に独走させてくれないのがこの激辛メンツ。
近藤がのドラターツを一気に払い、三面張を重視してタンピン形でまとめていく。