世界を覆う闇を吹き飛ばす
ドリブンズ・村上淳の
開幕リッチラッシュ!
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年10月6日
1つの新しいウィルスによって世界は闇に包まれた。
人が人を疑い、交流を避けるように奨励され、マスクによって表情は消されてしまう。
わずかな実害よりも、ネガティブな空気によって人々の活動が抑制されてしまったことが非常に悲しい。
1年も経たないうちに世界がここまで変わろうとは誰が予想できただろうか。
そんな中で昨日Mリーグは開幕した。
Mリーグの持つ「アツさ」によって、世界を覆う闇を吹き飛ばして欲しい。
2020年10月7日。
私はタンスの奥にしまってある登山用のフリースを引っ張り出しパソコンの前に座った。ちょっと前までうだるほど暑かったのに、10月に入ってからは随分と涼しくなったものだ。しかし我々は知っている。気温が下がる季節になると、モニターの中で熱い戦いが繰り広げられることを。
Mリーグ2日目にあたるこの日は、
重厚なメンバーが揃った。
華やかだった初日と比べるとエース級が揃っていてアツいというかアツ苦しい対局になりそうだ。
【第1試合】
東家:石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
西家: 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
この日の戦いは東1局に集約されていた。
東1局。
まずは村上。
村上はこの配牌からオタ風のやではなく、を切った。
村上が役牌から切り飛ばしてリーチを目指していくスタイルであることは重々承知だが、トイツが3組あってリーチにいけるか微妙なこの配牌でもそう打つんだ…と私は驚いた。
次の巡目も、村上は当然のようにを切った。
これらの役牌を重ねて2000点にするよりも、ほんの少しでもいいから
「リッチ!」と発声できる確率を高めるのがリーチ超人の麻雀である。
昨シーズンは大車輪の働きを見せたものの、チームは悔しいレギュラーシーズン敗退。
今季は開幕を任され、ずっと緊張していたという。たしかに時おり牌を扱う指先が震えているようにも見える。
村上ほどの打ち手がプレッシャーを感じるとは、チーム戦の、そしてMリーグの重みが伝ってくるようだ。
さて、このリーチに対して向かっていったのが
国士イーシャンテンの近藤。
とというかなり危険な牌を2枚抱えているが、近藤はより危険なから切った。
は両無筋(もも通っていない)と相当危ない牌だが、誰かが押し返してきた時に備え、リスクを負って先により危険な牌から処理していったのだ。
チームの大黒柱とも言える存在だが、昨シーズンファイナルで失速してしまった。
責任感の強い近藤が、気にしていないわけがない。
そして近藤の懸念していた第3者がきた。
親の石橋にタンピンドラ3の大物手テンパイが入る!
U-NEXT Pirates 石橋伸洋。
昨シーズンのセミファイナルからの活躍は記憶に新しい。Pirates優勝の立役者と言っても過言ではないだろう。
この石橋の18000確定リーチを受け…
国士イーシャンテンの近藤がさらに無筋を掴む。もも2人に通っておらず、ここらへんでギブアップか。
いや!押した!
東1局ならビハインドを背負っても取り返せる。
ならばこの手は引けない、ということか。