デビュー戦限定!我がままに1着だけを目指す堀慎吾の意志と戦術【Mリーグ2020観戦記10/9】担当記者:渡邊浩史郎

黒沢の頭ハネだ!

このリーチについて、後のインタビューで黒沢は

「カンテンパイにしっくり来ておらず、単騎に変わったら先制リーチをかけようと思っていた。朝倉選手からリーチがかかってしまったが安牌も少なく、当初の自分の感覚通りに打とうと思った」と説明してくれた。

麻雀というゲームを感覚で捉えることについては様々な意見があるが、インタビューで素直に感覚を理由に答える黒沢からは自分自身、麻雀、そしてファンへの真摯さを感じた。

このアガリで黒沢は一旦トップ目に立つものの、まだまだ東3局。まだ勝負の行方は分からない。

【東3局】

この局の注目は堀。

配牌から多かったマンズを生かしてホンイツへ。と両面を落として一直線(はツモ切り)

しかし先制リーチは朝倉。ドラを三枚抱えたカンだ。

堀もをチーして生牌・無筋を押していく。

そしてを引いてくる。ここは……

!一旦を止め、チンイツ目一杯にはしなかった。

これは朝倉のリーチにいろんな牌が通り過ぎたことが原因だろう。

堀の目から見て、朝倉のリーチに通っていない両面はの三種類しかない。おまけに朝倉はのターツを外してのリーチ。それよりもいい待ちと考えると、この生牌と何かのシャンポンは十分考えられる。

実際にはは他家の手にあった。もちろんこういう可能性もあるが、すでに切って良い巡目・状況じゃないという堀の判断は的確であったといえよう。

この後、堀は中筋のも押すがテンパイには至らなかった。朝倉のアガリも発生せず、この局は流局する。

【東4局1本場】は黒沢がセレブな4000オールで一気に抜け出す。

【東4局2本場】

ここでは日向がオリジナルな手順を見せる。

黒沢がWをポンしているこの局面。マジョリティは切りだが……

日向の選択は打

これは黒沢の仕掛けを見ての一打だろう。あの黒沢のWポン、からの対子落とし。中途半端な仕掛けではなく、確実に打点が伴っている。仕掛けて速度を合わせることを視野に入れていたことは間違いない。マジョリティではないが、一理ある選択だ。

これがうまくはまり、黒沢の現物が朝倉から出てチー。をツモって1000・2000は1200・2200の収入とともに黒沢の親を落とすことに成功した。

【南1局】

ここまでなかなか配牌が厳しく、アガリのない堀。

南場の親番でも他家が先制。日向のピンフドラ1のリーチが入る。

それを受けて堀。このイーシャンテンから……

でいったん迂回。は日向の風牌。本来他家から率先して切られる牌がこの巡目まで生牌。おまけに日向のリーチ前の最終手出しはも切りにくい、自身はテンパイが厳しい形ということで一旦回らざるを得なくなった。

しかし次順、を引いてきて……

!最後の親番ということでテンパイ連荘も大事。先ほどのペンチャンと両面のイーシャンテンよりはテンパイが見込める形になった(両面とカンチャンとアタマ探し)ということでを切っていった。

ともすると一貫性がないとも思われるが、非常に局面を見た柔軟な選択である。先ほど打たなかったからという理由でを切ってしまう人も多そうだが、堀のトップ取りへの意志を感じさせる打牌であった。

しかし堀はその後テンパイをとれず、親が流れてしまう。

【南2局1本場】

今まで苦しんできた堀だがここで初アガリ。

下家で親の朝倉の仕掛けと自身の難しい手を見事に捌ききってこのマンガンツモ。

これで一気に二着争いが激化する。

【南3局】

ラスに追いやられた親の日向。

この形からカンをチー。Mリーグではかなりアグレッシブな仕掛けだ。

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