副露ゼロ、
飛び交うリーチは15回!
門前のたたき合いを制した
滝沢和典に、
試合について聞いてみた
文・東川亮【月曜担当ライター】2020年11月30日
長丁場のリーグでは、道中でいろいろなことがある。
現状の調子が良くても、あるいは悪くても、それがそのまま続くことは考えにくい。
EX風林火山は10月、16戦を戦ってトップ4回2着8回、3着と4着が2回ずつと非常に安定した成績を残していた。
しかし11月半ば以降は調子を落とし、直近10戦で4着6回。
特にこの日の初戦に登場した滝沢和典は3戦連続で4着に敗れており、この日の試合に懸ける思いはいつも以上に強かったに違いない。
入場時の表情にも、どことなく険しさがあった。
本日は試合後の滝沢から話を聞くことができたので、本人の声を元に記事をお届けしていく。
第1回戦
東家:前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
東1局はこの試合を暗示するような展開となる。
近藤がとの片アガリテンパイをヤミテン。
このままでもアガリはあるが、一気通貫やリャンメンテンパイなど、さらなる好形・高打点への変化を模索する。
そこへ滝沢が待ちでリーチを打つと、直後に瀬戸熊も待ちリーチで応戦。
こうなれば近藤もツモ切りで追っかけリーチ、開局から3軒リーチがぶつかる熱い局面となった。
勝ったのは瀬戸熊、一発ツモで2000-4000のアガリとし、まずは一歩抜けだした。
東2局もリーチがぶつかる。
瀬戸熊が前巡に待ち、いわゆる並びシャンポンの形でテンパイを入れていたが、次巡を引いたことでが中スジになったことからツモ切りリーチを敢行。
同巡、単騎ヤミテンを入れていた滝沢がドラを引き、ドラ単騎リーチと打って出た。
これについては、瀬戸熊がツモ切りリーチだったことが大きな理由だったという。
「万全なら即リーチに来るはずなので、愚形の可能性は高い場面だと判断しました。ならば勝算もあると思い、リーチと打って出ました」
ドラ単騎でアガれれば5200からと打点は十分、勝負に値する。
この局は2軒リーチをかいくぐった前原が瀬戸熊から2600を出アガリ。
この日の試合、滝沢のテーマは「来た球を打つ」だったそうだ。
この役ありカン待ちテンパイでリーチを打った際には、リーチ自体は迷わなかったものの、先日カン待ちリーチをかけて放銃にまわった場面が頭をよぎったそうだ。
しかし、そんなことで打ち方を変えるほど、滝沢という打ち手はヤワではない。
リーチをかける場面であれば、ブレずにリーチだ。
これに追いついたのが親の近藤。
12巡目テンパイで、と、どちらの待ちで受けるかを選べたが、近藤は切りリーチとした。
しかし、麻雀とはときに無情なもの。
待ちならツモっていたはずのは、滝沢のロン牌。
しかも裏ドラが。
滝沢にとっては親リーチをはね除ける会心のアガリ、そして近藤にとってはアガリ逃しの上に8000点放銃という最悪の結果となってしまった。
この試合はとにかくリーチが多かった。