タキヒサ対決はただでは終わらない 佐々木寿人がオーラスに残した執念【Mリーグ2020観戦記1/8】担当記者:真中彰司

ピクリとも動かない。むしろ視線は滝沢の方を向いている。

やはりタキヒサ対決を強く意識しているようだ。

この局はたろうからリーチを受けるも、単騎でうまくアガリ切って3900点の加点。

しかし、事件は次の局に起こった。

なんとたろうがドラ3の超ゴージャス配牌。しかも4枚目のも持ってきて即カン。

そこに佐々木がをポンして切り込んでいく。

「黙って何もしないよりは、戦った方が良い」

佐々木の麻雀を支える考え方の1つである。手牌を短くする危険性は承知の上で、果敢にたろうの大物手を潰しに行った。

そして数巡後、ついにたろうのリーチが来た。まさにゼウスの雷だ。

待ちのは山に6枚。これはさすがにたろうのアガリだろう。

そして平然と無筋のを切り飛ばす佐々木。

入り目なんだけど、それ…」

たろうもこのリーチは一人旅だと思っていたはずだ。佐々木の反逆に戸惑いを見せる。

そして流れるようにとツモり、佐々木が500オール。

99%たろうがアガるはずだった局の筋書きを、強引に変える値千金のアガリとなった。

東3局3本場

佐々木の親番が流れた次局、大トップが欲しい佐々木は切り。

ピンズの一通、ポン、ドラ周りでの打点上昇を狙う。

しかしその打牌はすぐに「ロン」の声で咎められる。

その声は対面から。滝沢だ。

前巡にこっそりカンで5200のダマテンを入れていた。

を打っているため、そこまでこっそりとはいかなかったが。

とにかく佐々木の独走を止めることには成功した。

 

一方、滝沢に勢いを止められてしまった佐々木は防戦一方。

戦える手にならず、たろうや萩原にツモられてジリジリ点棒を削られていった。

オーラスを迎えた時点で、佐々木は4着。

だが、希望はあった。南3局に萩原が300-500をアガったことで、そこまで点差は付いていなかったのだ。

そして何より、連投までさせてもらって、2度とも滝沢より下の着順であることは、佐々木のプライドが許さない。

条件は1300-2600以上で2着浮上。倍満ツモでトップ。魔王のプライドを賭けた、意地のオーラスが始まった。

4巡目の引きで、一色手に決め打ち。ホンイツコンサルタントの腕の見せ所だ。

佐々木の意地に呼応するように、続々と索子が集まってくる。

しかし他家が易々と佐々木のアガリを許すはずもない。

アガリトップのたろうが最初にテンパイ。

続いて親番の滝沢もテンパイにたどり着く。

そして、満貫ツモで同点トップの萩原が、勝負牌としてを残したところで…

佐々木がついにテンパイ!単騎か単騎かの選択。

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