渋谷ABEMASが突き進む絶対王者への道…百獣の王と化した白鳥翔の牙【Mリーグ2020観戦記1/25】担当記者:山﨑和也

ひとまずを鳴き、索子のホンイツに向かう。

堀もパッとしない手でアガりまでは遠そうだ。特にホンイツ狙いの勝又に対し、が切りにくい。焦点は勝又の手が育つかどうかに。

白鳥は何としてでも寿人の連荘だけは避けなければならない。上図、自分の手で終わらせられるかは微妙なところだ。

寿人からが出た。これに対し

勝又が意表を突く大明槓。なりふり構わず迫っていく。

新ドラは嶺上牌)。いまのところは手にないが、索子がめくれたのは好材料だ。自らの手で跳満の道を切り開いていく。

一歩一歩迫る勝又。寿人、堀から満貫をアガる場合でも3着に浮上するので、そのふたりは真っ直ぐ攻められない状況となり、完全にこの局の主役は勝又になった。

さあいよいよテンパイ寸前。索子なら何を引いてもOKの手格好まで育った。

その状況下で親の寿人は関係なく索子を打ち出す。前述の通り、「ロン」と言われればラス目に転落しそうなのに打とは凄まじい。「真っ直ぐ攻められない状況」は訂正しないといけない。

押せば見返りがくるのが世の常か、寿人もイーシャンテンにまできた。

寿人の切りを見て白鳥も気が気でない状況だ。親がやる気満々なのが明白だからである。引き入れたをツモ切り。これは勝又にもちろん危ない牌だが、跳満を食らってもまだトップなので打ちにいったのだ。前巡の打(場に生牌だった)にもその表れが出ている。

寿人はドラのもツモ切りで押す。ひいい、おっかない。「戦慄のドラ切り」(実況の松嶋桃プロ)である。この強心臓ぶりは寿人の持つ魅力だ。筆者はまだ慣れていない。

を引いてついに勝又にテンパイが入った。打として待ち。を引けばホンイツドラ2で跳満達成となる。

黙って見ていられなくなっている堀も動く。寿人から出たをポンして打。目指すはタンヤオだ。

勝又はを加カン。嶺上開花がつけば跳満成就できたがツモはで不発に終わる。がドラに加わった。依然として待ちは

点差よりも余裕がなくなってきている白鳥。ここで打とした。自分がアガって終わらせることはもう厳しい。

「きたっ!リーチだっ!」(解説の渋川難波プロ)

絶好の引きで恐怖の親リーチがついに。だがこのとき渋川プロは既に気づいていた。

「これ、打つ。多分白鳥選手打つ。倍満打ってもトップ……」(渋川プロ)

麻雀IQ220の異名を持つ勝又も、リーチを打たれる前からわかっていたかもしれない。

白鳥のところにあるが寿人の現物なのだ。これに手を伸ばせばいい。しかしだと勝又の跳満条件が満たされず、寿人にツモ番が回ってしまう。

正解のを選んだ。すかさず勝又から「ロン」の声。

これぞ執念の大逆転劇。しかも寿人からリーチ棒が出たので、2着にまで浮上したのだ。ここまで諦めずに手を作った勝又、差し込んだ白鳥もまた見事だった。

ここまでつらい展開が続いていたが最後に報われた勝又。白鳥の差し込みも計算の内だっただろうか。軍師の策略、恐るべし。

この結果、なんと4着は堀になった。そういえば1試合目、堀がオーラスに差し込んでトップを獲り、松本をラスに沈めていた。今回は白鳥が敵討ちした格好である。1試合目ではうちの松本をよくもやってくれたなと、ライオンの雄叫びが聞こえるようだ。

白鳥は今シーズンで初の3連勝達成となった。Mリーグを見てきた皆さんなら、連勝どころか1勝だって大変なことがよくわかるでしょう。特にこの一戦はこれまでチームを引っ張ってきた松本を助ける価値ある勝利だった。チームポイントは前人未到の600目前。絶対王者の誕生を予感させるではないか。今後もABEMASがどこまでポイントを稼げるかに注目だ。

 

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