刮目せよ!超悪配牌から条件を満たす手を練りあげた、“魔術師”園田賢の手順を【Mリーグ2020観戦記2/4】担当記者:ゆうせー

が、ここで切ったが、同じくダマに構えていた園田のピンフドラ1に放銃となった。

アガって連荘したかったフェニックス和久津。待ちが薄く、ここは確実にアガって和久津の親を落としたかったドリブンズ園田。ボーダーラインをめぐっての各チームの思惑も揺れる。

ロンの声を聞いたとき、和久津は一瞬悔しそうな表情を浮かべた。

南1局

再びめぐってきた堀の親。

5巡目に堀はここからをそっと河に置く。待ちリーチは、リーチのみになってしまう。引きなら多面張リーチ。を引いたらを切ってタンヤオピンフ、三色を見てテンパイ外し。ツモなら打フリテンリーチを考えていたのではないだろうか。

手材料を用いて、「価値のある手」を目指し、出来るだけ高く手を組み上げる堀。この巡目にして、この手をリーチで蓋をしたりはしない。

結局堀は数巡後にを引いて待ちでリーチ。タンヤオドラ3のテンパイが入った藤崎から、リーチの2000点をアガった。

南2局

この局も主役は堀だった。上家の園田の6巡目リーチを、変則手と読み切って正面突破。

でチー。そこから、、そしてこの場面でのまで切り飛ばし、ついには園田からで出アガリ。タンヤオ赤の2900点をもぎ取る。

南2局1本場

抜け出そうとする堀に待ったをかけたのは、またもや和久津だった。

ピンズの数牌をギリギリまで余らせないように工夫して、南に続いてのを場に引き出すことに成功。テンパイが入った藤崎から、役役ホンイツ8000点の出アガリを決める。

南3局

なんとしてもトップを持ち帰りたいフェニックス和久津。

藤崎の親リーチにをポンして応戦。ダブ赤赤のテンパイを入れる。しかし、終盤で無筋のをつかんでしまう。

和久津はこのを切った。ソウズの単騎テンパイや、切りの役無しテンパイではなく、のリャンメンテンパイで真っ向勝負を挑んだのだ。

結果は流局だったが、テンパイ料で和久津が堀を交わしてトップ目に立つ。

南3局1本場

ここで園田もやってくる。場に薄いで終盤にリーチを打つと、これが僥倖の高目出アガリ裏裏。

トップを射程圏に入れて、オーラスを迎えることに成功する。

南4局

和久津は親なのでアガって他を引き離したい。

堀はツモアガリならなんでもOK。出アガリなら1600以上。

園田は700-1300ツモなら和久津と同点トップ、800-1600以上なら単独トップ。出アガリは和久津から2600なら堀と同点トップ、4500以上なら単独トップだ。

その園田の配牌は、

悪い。打点のかけらも見えない手だ。

ここから園田が切ったのは、

だ!

一見打点のもとにも見える役牌だが、を重ねてもテンパイ前に2枚切られてしまったら、打点が足りないので見送るしかない。それではどうしようもなくなってしまう。そしてこの手牌では、そんなに早くテンパイが組めるはずもない。

ならば、他の人が重ねる前にいち早く切ってしまおうというのが園田の意図だろう。

園田は仕掛けのイメージが強いが、門前のルートにおいても「条件を満たすアガリを構想する力」に優れていることが分かる一打だ。

次巡、

を引いて打。もし、に続いて役牌を切るとなると、も切るのが2巡ずつ遅れてしまう。これが最速の役牌処理手順だ。

次の手番には、

を引いて打。わずかなソウズのホンイツを見て打とするよりも、チートイツを想定して場に1枚出ているを切ったのだろう。

4巡目は、

をツモって打を切ってもは使える。

次に園田が持ってきたのは、

だった。これで4トイツ。まだメンツ手もあるので、受け入れにロスのない打

さらに次巡、

を引いた!しかし、リーチのみでは足りない。メンツ手が本線になりつつあるが、チートイツもまだ消せない。ここは打

7巡目のはツモ切り。8巡目に園田が引いたのは、

だ!これで2メンツ完成!!

園田が切った牌は、

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